2020年10月19日
2021年12月23日資産運用
投資信託の利益確定を出すタイミングはどう決める?注意点とは

大きな利益が見込める資産運用方法のひとつに「投資信託」があります。興味のある方やこれから始める方、現在運用中の方の多くは、どのように利益を出すかが気がかりではないでしょうか。
投資信託で利益を出すには「利益確定」がキーワードです。利益を生むために必要な知識はいくらあっても損にはなりません。そこでこの記事では、投資信託の利益確定を出すタイミングをご紹介します。注意点も解説するので、正しいタイミングで利益確定ができるでしょう。
目次
投資信託の利益確定とは
投資開始時の元本よりも資産の価値が上昇し「含み益」になった状態で売却の決断をし、約定できたら「利益確定」「利益確定売り」をします。
利益を現金化する際には、投資を頼んだ投資信託会社に解約手続きの依頼をしましょう。手続きが済んだら数日で利益が振り込まれます。海外に投資した場合は、時差があるため振り込まれるまでに国内の投資先よりも時間がかかるでしょう。
投資信託の利益確定を出すタイミングとは
含み益が大幅に増加したときのみが利益確定の決断をするタイミングではありません。市場と自分の資産の状況をトータルで考え、客観的に全体のバランスを見る感覚で決断する必要があります。
利益確定のタイミングは、長年投資をしている方でも難しいと感じているかもしれません。ここであらためて基本的な判断基準を確認しましょう。
購入時より基準価額が上回っているとき
投資資産を購入した価格よりも基準価額が上回ったときは、利益確定のタイミングです。これは分かりやすい基準なのですが、「もう少し待てば利益を増やせるのでは」と多くの投資家が悩む場面でしょう。
最高値になるまで待ってできるだけ多くの利益を増やすのではなく、確かな利益を得ることがポイントです。基準価額は急に下がる場合もあるので、リスクを避けるために少しでも利益が出たら利益確定の決断をするのはよい判断だといえます。
資産のバランスを整えるとき
資産の投資先・種類が複数に渡る投資家は、リスクを減らすための割合を決定して資産を投資します。しばらく続けていくと割合が崩れていくので、資産のバランスを再調整しなければなりません。これを「リバランス」といい、バランスが崩れた状態を元に戻す作業を指します。
リバランスのために一部の資産を解約しなければならないこともあるでしょう。その場合は、条件のよい資産を利益確定します。
別の商品を購入する資金集めのとき
投資中の商品が利益を出しにくい状態にあったり、ほかの商品の利益が見込めたりする状況だと、金融商品や投資先の変更を決断する投資家もいます。資金を用意できないときは、資金捻出のために利益確定しなければなりません。
解約時には、含み損だったり手数料・税金がかかったりします。また投資時にも手数料や税金がかかるので、別の商品に乗り換えるときは出費も考慮しましょう。
投資信託の利益確定で気をつけること
利益確定のタイミングを見極めて解約手続きに入る際は、いくつか事前に知っておきたいルールがあるので、項目をひとつずつ確認しましょう。利益確定だけではなく投資信託で資産運用をするときは、不要なトラブルを避けるためにもルールは把握しておく必要があります。
最終的な利益は分配金も含める
解約して受け取れる利益は、解約手続きをし、利益確定したときの総利益となります。総利益は商品を購入したときの元本と、購入時の基準価額より価値が上がった分の利益、投資信託会社の決算日に出る利益である「分配金」です。
利益の計算をするときは分配金も忘れずに含めます。分配金は行っている会社と行っていない会社があるので、利益確定前に確認しましょう。
また、分配金には「特別分配金」があり元本を切り崩して配当しているものもあります。この場合は元本が少なくなるので注意が必要です。
税金や手数料のことも忘れない
投資信託を解約するときには、実質的な手数料である「信託財産留保額」がかかります。多くの投資家から資金を集めて運用する投資信託では、ひとりの解約手数料をほかの投資家が負担するような状況にならないために設けられたシステムです。
解約時にかかる税金があることも考慮しましょう。売却益に約20%課税されるので、利益が低いとマイナスになるケースがあります。
一部だけを売却することも考える
含み損など将来的に不安な要素が出てきたら、投資資産すべてをコストカットしたいと思う投資家は多いでしょう。経験の浅い投資家がしやすい方法は、一部を売却に回し、残りの資産を運用し続ける「部分売り」がリスク軽減におすすめです。将来再度価値が上がったときに運用できます。
純資産の総額が減少したときには注意が必要
投資信託や資産運用会社の信用度である成績を確認するには、保有する株式や債券などの資産の時価総額「純資産総額」をチェックすると判別しやすいでしょう。純資産総額の増減は、投資家が商品を購入するかどうか、株や債券などの資産価格が上がるかどうかが影響します。
将来の展望が明るければ、純資産の総額が減少しただけで解約することは避けたほうが賢明です。しかし純資産総額の推移は、投資信託の成績を知る基準になります。減少したときは、なぜ資産価値が下がっているのかを把握することが大切です。
解約しても返金には時間がかかる
無事解約の手続きが終了しても、現金が振り込まれるまでタイムラグがあります。解約した資金の使い道がすでに決まっている場合は、必要な日までに受け取れるよう利益確定日を考えなければなりません。振り込まれるタイミングは商品や国によって異なるので、交付目論見書で確認しておきましょう。
解約できない期間もある
一部の投資信託には、解約をまったく受け付けない期間である「クローズド期間」を設けているものがあります。急激な一斉解約で資産が大量に流出し、資産運用が不安定になることを防ぐためのシステムです。安定的な運用をして質の高いサービスを提供するための期間でもあります。
これも目論見書に明記されていますが、必要なときに解約できないと資産運用計画に支障が出るでしょう。投資前にクローズド期間の有無を確認できると安心です。
長期投資をしたほうがよいこともある
投資信託で資産運用は、短期よりも長期のほうが収益率は高い傾向にあります。最初から長期計画での運用を考えたほうが、リスク回避のためにもよいでしょう。長期で資産保有を前提にしていれば、価値が下落しても慌てずに動向を注視できます。
短期では売買の回数が多くそのたびに手数料が発生するため、利益を多く出すことは難しいでしょう。マイナスになる可能性も考えられます。
投資信託の利益の仕組みとは?
投資信託をはじめとした投資の最大の目的は、利益を出すことです。資産の運用中に資産価値が増減しても冷静な判断ができるように、そして利益率がよいときに利益確定ができるように仕組みを知ることから始めましょう。基本となる利益の仕組みの中から代表的な2つのポイントについて解説します。
投資信託の利益は2種類ある
投資信託の利益の種類は「売買差益」と「分配金」の2つです。「売買差益」は文字どおり、商品を買ったときの価格と売ったときの価格の差を指します。運用益が基準価額よりも高いときに売れば利益を得ることが可能です。しかし投資信託は元本保証がないので、低いときに売ると損になってしまいます。
「分配金」は、投資信託の運用で発生した収益から投資家へ配られるお金のことです。会社の決算日に資金を運用していれば分配されます。年1回の分配金もあれば、毎月1回の分配金がある商品などそれぞれです。分配金は運用成績に反映されるので、増減があるものだと認識しましょう。
基準価額が変動する原因は主に3つ
原因のひとつ目は「運用損益」が挙げられます。運用損益で利益になるには、購入時の基準価額より解約時のほうが高くなければなりません。投資信託が保有する資産の時価評価額から元本を引いているので、増減が発生します。
2つ目は「分配金の支払い」です。分配金の支払いが少ないほうが、最終利益は高くなります。発生した利益を元本に足して再度運用するので、純資産が増え時価評価が上がり、基準価額も上昇するためです。
3つ目の「運用費用の支払い」も、基準価額が下がる原因といえます。投資信託は各投資家の投資金額から支払われるので、純資産が減少してしまう仕組みです。
投資信託の利益率や利回りはどう算出する?
資産運用する上では、資産をどれだけ効率的に増やせるかが重要です。投資信託は「利益率」や「利回り」を算出する計算式で数値化できます。計算することにより、投資の将来設計を立てやすくなったり、商品の種類を選ぶ目安になったりするでしょう。ここでは「利益率」と「利回り」の相違点を確認しながら算出方法を解説します。
利益率を出す方法
投資信託で発生する、投資家への分配金の水準を計る指標が「利益率」です。「分配金利回り」とも呼ばれ、投資信託の年間収益に対する分配金の割合を示します。算出方法は以下のとおりです。
利益率(分配金利回り)=分配金の収益(分売金-税金-手数料)÷投資元本×100
分配金の収益は過去の実績である分配金累計額、投資元本は直近の月末基準価額で計算します。そのため基準価額に変化が生じれば実際に手にする利回りや、予想した利回りとは異なるでしょう。1年前の基準価額より直近の月末基準価額が下回れば、実質の利回りはマイナスになることもありえます。
利回りを出す方法
投資信託の利回りは、分配金に商品を売却したときに得られる売買差益を加えた、投資金額に対するすべての利益の割合を指します。投資信託でどれだけ儲けられるか(値上がり率)を確認できるので、どの銘柄を購入するかの目安にもなるでしょう。利回りは、投資信託のランキングで順位付けされる大切な指標です。
利回り=すべての収益(分配金+売買差益-税金-手数料)÷投資元本×100
上記の計算式で投資信託の利回りを算出できます。利回りは年間の総合収益率で、年利回りとも呼ばれることをあわせて覚えておきましょう。
投資信託で利益をさらに上げる方法
運用状況を確認し利益確定の決断をするだけではなく、積極的に利益を上げるコツがあります。資金力や投資環境など投資家によって相性が異なる方法なので、以下にあげる項目を確認し、できそうなことから始めましょう。利益をさらに上げるおすすめの4つの方法を詳しく解説します。
分配金を再投資する「複利投資」を行う
分配金がある投資信託では、年1回以上利益を定期的に手にできる可能性があります。このような分配金を投資家に渡さず、再び投資にまわす方法が複利投資(複利運用)です。
たとえば初年度の分配金を1年目の投資元本とあわせて、2年目の投資元本とします。1年目の分配金が足された元本なので、前年度より利益率が単利運用よりも高くなることが特徴です。
数年単位で複利運用すればするほど利益は膨らむので、長期投資に向いている投資信託では複利で投資をしたほうが、メリットが大きいといえます。
毎月購入する金額を一定化させる
投資信託の商品には、一度に資金を用意できなくても投資が可能な「積立投資」があります。毎月一定額をコツコツと積み立て成果をあげる方法なので、積立投資も長期投資向きです。
価値の変動があるため、そのときの価格がベストなのかどうかの判断は慣れた投資家でも難しいといわれています。決められた金額を自動的に積み立てるので、その判断のストレスを軽減できるでしょう。
また毎月一定額を積み立て、商品の価格の増減を平均化して購入できるので高掴みのリスクを抑える効果もあります。「ドルコスト平均法」という方法なら、価格が変動しがちな商品でも一定の金額で買い続けることにより、リスクを抑えられるでしょう。
節税対策ならNISA
NISAは個人投資家用の投資システムです。投資で得た利益に税金がかからず、20歳以上であれば誰でも口座を開設できます。購入できる商品は、金融庁の許可がある株式や投資信託など決められているのが特徴です。利用限度額は年間120万円、非課税期間は5年としばりがあります。
利益確定のときに引かれる税金がなくなり手数料のみになるので、収益額はその分高くなるのがメリットです。投資信託でも節税対策ができるNISAを投資の選択肢に入れてもよいでしょう。
プロのアドバイスを受ける
資産運用などで多額の投資をするときに、ひとりで運用をすることに不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。投資の経験があっても迷うので、初心者ならなおさらといえます。
資産運用について疑問点がある方は、ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)にお任せください。不安を解消できるだけはなく、運用の無駄を省きさらに利益をあげるきっかけにもなるでしょう。
まとめ
投資信託で資産運用をするときは、利益確定の決断が重要です。利益をあげるために価値が高くなったときに解約できるか、タイミングの見極めが難しいでしょう。しかし注意したいポイントや投資信託の資産運用の仕組みを理解すると、利益を見込んだ利益確定ができます。
それでも不安なときは、冷静に価値変動の動向を見極められる第三者のアドバイスが効果的です。これから始める方から現在の運用を見直したい方まで、まずはネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)へご相談ください。
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芦田ジェームズ 敏之
【代表プロフィール】
資産規模100億円を超えるクライアントの案件を数多く抱えてきた異彩を放つ経歴から、「富裕層を熟知した税理士」として多数メディアに取り上げられている。培った知識、経験、技量を活かし、富裕層のみならず幅広いお客様に税金対策・資産運用をご提案している。また、Mastercard®最上位クラスで、富裕層を多く抱えるクレジットカードLUXURY CARDの「ラグジュアリーカード・オフィシャルアンバサダー」に就任。日米税理士ライセンス保有。東京大学EMP・英国国立オックスフォード大学ELP修了。現在は代表税理士を務める傍ら、英国国立ウェールズ大学経営大学院に在学中(MBA取得予定)。
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