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コラム

2022年3月25日2022年3月18日

個人事業主の節税対策13選|経費になるのは?節税の基礎知識を網羅

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個人事業主は、1年間の所得について確定申告し、所得税を納付しなければなりません。確定申告するにあたり、個人事業主ができる節税対策を知りたい方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、個人事業主が取り組める13個の節税対策に焦点を当てました。節税の失敗パターンも紹介するため、個人事業主が陥りがちな失敗を回避したい方は参考にしてください。

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個人事業主が納付する税金は4種類

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個人事業主が納付しなければならない税金は、原則「所得税」「住民税」「消費税」「事業税」の4種類です。消費税以外は、所得税の確定申告によって手続きが完了します。消費税の課税対象に該当する場合、所得税の確定申告の他に消費税の申告が必要です。ここでは、4種類の税金について解説します。

所得税

所得税は個人が1月1日から12月31日までに得た所得に対し課される税金で、10種類に区分されます。このうち、個人事業主が事業で得た所得が「事業所得」です。事業所得は「総収入金額-必要経費」で求めます。

事業所得以外も、それぞれの収入や経費として認められる範囲、計算方法が決められています。これら10種類の所得金額を合計し、「(合計所得金額-所得控除)×税率-税額控除」で所得税額を求めます。所得税の税率は、所得金額が上がるほど高くなる超過累進税率です。

住民税

住民税は、その年の1月1日時点で市町村に住所がある者に対し課される税金です。納付税額は確定申告のデータに基づいて各自治体で割り出します。個人事業主の場合、住民税の納付は6月、8月、10月、1月の年4回です。原則として市区町村から交付された納税通知書で納付します。

消費税

消費税は、原則として前々年の年間課税売上高が1,000万円を超えた事業者に対して課されます。納税が必要な場合、所得税の確定申告とは別に消費税の申告をしなければなりません。個人事業主の消費税の申告納付期限は、課税期間の翌年3月31日です。

事業税

事業税は、個人事業主のうち法令で定められた業種を対象に課税されます。現在70種類の法定業種があり、ほぼ全ての事業が該当します。所得税の確定申告または住民税の申告をした場合、事業税の申告は必要ありません。確定申告書等の「事業税に関する事項」欄に必要事項を記入することで、事業税の申告は完了します。

個人事業主の節税対策13選

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青色申告制度の利用や必要経費の計上は、個人事業主の節税対策として有効な手段です。しかし、活用できる節税対策はそれだけではありません。ここでは、青色申告や必要経費の計上を含めた13個の節税対策について解説します。

1.青色申告のメリットを活用する

青色申告制度とは、日々の取引を会計帳簿に記帳し申告することで、税務上有利な取り扱いが受けられる制度です。青色申告をするなら、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。1月16日以降に開業した場合は、開業日から2か月以内が提出期限です。

青色申告にはさまざまなメリットがありますが、特に節税効果の高いものは「青色申告特別控除」と「青色事業専従者給与の必要経費算入」の2つです。

・青色申告特別控除
事業所得から最高65万円を控除できます。なお、令和2年分以降、65万円の特別控除を利用する適用要件に「電子帳簿保存またはe-Taxによる電子申告」が加わりました。この要件を満たさない場合、控除限度額は55万円です。

・青色事業専従者給与
一定の要件を満たす配偶者や親族への給与を必要経費に算入できます。利用する際には、事前の届出が必要です。

2.経費を漏らさず計上する

所得税や住民税は、所得金額に基づいて計算します。所得金額は「収入-経費」で求めるため、事業の経費を漏らさず計上することは節税の第一歩といえるでしょう。

仕入れや人件費、家賃といった費用の他にも、移動のためのタクシー代や打ち合わせで利用した喫茶店の飲食代も費用として計上できます。これらの費用を経費計上するには、必要な経費であることの証拠となる書類が必要です。領収書やレシートは、忘れずに保管しておきましょう。

3.光熱費など経費と生活費が混在する費用は按分計上する

個人事業主が自宅で仕事をしている場合、家賃や光熱費の一部を事業の経費として計上できます。計上の際は、経費と生活費を分ける「家事按分」をしましょう。家事按分とは、経費のうち事業で使用している比率を明確にして按分計算したものです。例として、自宅の一部屋を事務所として利用しているケースを見てみましょう。

《条件》
・賃貸マンション:家賃25万円
・面積:80平方メートル
・事務所として利用している部屋の面積:10平方メートル

《計算例》
業務上利用している割合=10平方メートル÷80平方メートル×100=12.5%
経費=25万円×12.5%=3万1,250円

このケースでは、3万1,250円が経費として認められる可能性があります。なお、家事按分は、合理的な説明ができる場合に限り利用できる制度です。例えば、リビングで家事の合間に作業するケースでは、作業スペースや時間を明確に区分することが難しく、税務調査によって家事按分が認められない場合があります。

4.事業に関わる税金は経費にする

個人事業主が納めた税金のうち、事業に関わるものは「租税公課」として経費計上できます。所得税や住民税、相続税の他、延滞税のようなペナルティは個人に対して課される税金で、経費にはできません。

また、経費にできる税金は、事業で利用する資産に課されるものに限ります。例えば、固定資産税でも、自宅のような事業には関わりのない不動産に課されるものは経費計上できません。経費にできる税金とできない税金は以下の通りです。

経費にできる税金 ・固定資産税
・登録免許税
・不動産取得税
・地価税
・特別土地保有税
・事業所税
・自動車取得税
・自動車税
・印紙税
経費にできない税金 ・所得税
・住民税
・相続税
・贈与税
・加算税
・延滞税

5.少額減価償却資産の特例を使う

通常パソコンのような高額な資産は固定資産と見なされ減価償却します。一方、青色申告の場合、少額減価償却資産の特例によって30万円までの少額資産はその購入額を一括で経費計上できます。特例を利用するには、確定申告書に「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」を添付する必要があるため、忘れずに提出しましょう。

なお、青色申告をしていない場合でも、10万円以下の少額資産であれば減価償却をせずに経費として扱えます。

6.特例を活用して年払い費用を一括計上する

原則、翌期以降にサービスの提供を受けるために支払った費用は前払費用として扱われ、経費として計上できません。ただし、支払った日から1年以内にサービスの提供を受ける場合であれば、「短期前払費用」として当期の経費にできます。

短期前払費用の特例を利用するには、次の要件を全て満たさなければなりません。要件を満たしていないと税務調査で否認されるリスクがあります。

・一定の契約に従って継続的にサービスの提供を受けること
・サービスの提供の対価であること
・翌期以降に、時間の経過に応じて費用化されるものであること
・当期中に支払いが完了していること
・継続して毎年同じ経理処理をすること
・仕入れなど売上げに直接対応する費用ではないこと

7.所得控除の対象になる生命保険に加入する

所得金額から一定額を控除できる「生命保険料控除」を活用することで、節税効果が期待できます。対象となる保険料は、生命保険料と介護医療保険料、個人年金保険料の3つです。

平成24年1月1日以後に契約した保険(新契約)と平成23年12月31日以前に契約した保険(旧契約)で、生命保険料控除の限度額や計算方法が異なります。それぞれの控除額の計算方法は以下の通りです。なお、生命保険料控除の控除限度額は12万円で、旧契約のみの場合、10万円です。

【新契約】平成24年1月1日以後に契約した生命保険、介護医療保険、個人年金保険

年間の支払保険料 控除額の計算方法
2万円以下 支払保険料の全額
2万円超 4万円以下 支払保険料×1/2+1万円
4万円超 8万円以下 支払保険料等×1/4+2万円
8万円超 一律4万円

【旧契約】平成23年12月31日以前に契約した生命保険、個人年金保険

年間の支払保険料 控除額の計算方法
2万5,000円以下 支払保険料の全額
2万5,000円超 5万円以下 支払保険料等×1/2+1万2,500円
5万円超 10万円以下 支払保険料等×1/4+2万5,000円
10万円超 一律5万円

(参考: 『生命保険料控除|国税庁』/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm

8.小規模企業共済に加入する

小規模企業共済とは、小規模企業の経営者や個人事業主が利用できる積立型の退職金制度です。掛け金は月額1,000円から7万円の間で自由に決められ、支払った額は所得金額から控除できます。

12か月未満で任意解約をする場合、解約手当金は受け取れないため掛け金は掛け捨てです。また、掛け金の納付月数が240か月未満で任意解約した際は、受け取れる金額が掛け金の合計額を下回る点にも注意しましょう。加入するときは、長期的に見て本当に損をしないかどうか慎重な検討が必要です。

9.経営セーフティ共済に加入する

経営セーフティ共済とは、取引先が倒産したときに中小企業が連鎖して倒産したり経営難に陥ったりすることを防ぐための制度です。無担保・無保証人で、掛け金の最高10倍(上限8,000万円)まで借り入れができます。毎月の掛け金の範囲は5,000円から20万円で、掛け金は経費に計上できるため、節税対策としても利用できるでしょう。

解約時には納付月数と掛け金総額に応じた解約手当金が受け取れますが、納付月数が40か月未満の場合、受取金額が掛け金総額を下回ります。また、納付月数が12か月に満たないと、解約手当金は受け取れません。加入する際は、継続して掛け金を納付できる見込みがあるか検討することをおすすめします。

10.iDeCoを利用する

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、老後資金を作るための個人年金制度です。掛け金を自ら選択した金融商品で長期運用することで、効率的な老後資金の準備に活用できます。iDeCoの税制上のメリットは以下の3つです。

・掛け金は全額が所得控除される
・運用益が非課税
・年金受け取り時には「公的年金等控除」、一時金受け取り時には「退職所得控除」の対象となる

加入できるのは、原則として日本在住の20歳以上60歳未満の方で、国民年金や厚生年金といった公的年金に加入している方です。雇用形態に関する条件はなく、個人事業主でも加入できます。ただし、国民年金保険料の全額または一部を免除されている方は加入できません。

11.ふるさと納税をする

ふるさと納税とは、都道府県や市区町村への寄付制度です。所得税では寄付した金額分の所得控除、住民税では税額控除が受けられます。特に、住民税の税額控除による節税効果が大きく、寄付先の自治体から返礼品が受け取れることも特徴です。

納税額のうち2,000円が自己負担となるため、控除額は「ふるさと納税額-2,000円」です。控除額の上限は収入や家族構成によって異なります。例えば、年収1,000万円の独身の場合、18万円が全額控除の目安です。なお、控除対象となる納税額は、所得税では総所得金額の40%、住民税では30%が上限です。

12.所得税の所得控除・税額控除を活用する

所得税の「所得控除」や「税額控除」を活用することで効果的に所得税額を減らせます。適用要件に該当するものは、漏らさず利用しましょう。所得控除は以下の通りです。

種類 利用できるケース
雑損控除 ・災害や盗難によって損害を受けた
医療費控除 ・本人および生計を一にする配偶者や親族のために一定額の医療費を支払った
社会保険料控除 ・本人および生計を一にする配偶者や親族のために健康保険料といった社会保険料を支払った
小規模企業共済等掛金控除 ・小規模企業共済の掛け金を支払った
生命保険料控除 ・生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った
地震保険料控除 ・自宅の地震等保険料を支払った
寄附金控除 ・特定の寄附金を支払った
障害者控除 ・本人や控除の対象となる配偶者、扶養親族が障害者である
寡婦(寡夫)控除 ・夫(妻)と死別または離婚し、所得金額といった一定の要件に該当する
ひとり親控除 ・婚姻していないまたは配偶者の生死の明らかでない人のうち、一定要件を満たす
勤労学生控除 ・本人が勤労学生
・所得が一定の金額以下
配偶者控除 ・配偶者の所得が一定の金額以下
配偶者特別控除 ・本人の所得が1,000万円以下
・配偶者の所得が一定の金額以下
扶養控除 ・子や父母・祖父母で、所得が一定金額以下の扶養する親族がいる
基礎控除 ・本人の合計所得金額が2,500万円以下

また、所得税額から直接差し引ける税額控除は、大きな節税効果が期待できます。主な税額控除は次の通りです。

種類 利用できるケース
配当控除 ・総合課税される配当所得がある
外国税額控除 ・外国で生じた所得に対して、その国の税金が課されている
寄附金控除 ・政党や認定NPO法人、公益社団法人に対して寄附金を支払った
住宅借入金等特別控除 ・住宅の新築や購入のために住宅ローンを組んだ
住宅耐震改修特別控除 ・昭和56年5月31日以前に建築された一定の家屋について耐震改修をした
住宅特定改修特別税額控除 ・バリアフリーや省エネ、多世帯同居、耐久性向上のための改修をした

13.法人化する

一般的に、個人事業の利益が800万円を超えると、法人化するタイミングといわれています。所得税は所得金額が増えるほど税率が高くなるのに対し、法人税は一定の税率で課税されるためです。所得税と法人税の税率は、次表を確認しましょう。

所得税の税率課税所得金額(千円未満切り捨て) 税率
1,000円~194万9,000円まで 5%
195万円~329万9,000円まで 10%
330万円~694万9,000円まで 20%
695万円~899万9,000円まで 23%
900万円~1,799万9,000円まで 33%
1,800万円~3,999万9,000円まで 40%
4,000万円以上 45%

 

法人税の税率(資本金1億円以下の法人の場合)

所得金額 税率
800万円以下の部分 15%(適用除外事業者は19%)
800万円超の部分 23.20%

所得が800万円の場合、所得税の税率が23%に対し、法人税は15%です。法人化には税率の他にも、自身の給与を経費として計上できたり、赤字を10年間繰り越せたりといった税制上のメリットがあります。

ただし、社会保険への加入が義務付けられるため、従業員の社会保険料の支払いが必要といった個人事業主にはない出費が発生する点に注意が必要です。収益が増え法人化を検討する段階にある方は、一度税理士に相談することをおすすめします。

(参考: 『所得税の税率|国税庁』/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
(参考: 『法人税の税率|国税庁』/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5759.htm

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個人事業主の節税失敗パターン

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節税対策に取り組もうとしても、正しい税務会計の知識がないと、思わぬ損をすることがあります。ここでは、個人事業主が陥りがちな節税の失敗パターンに焦点を当てました。誤った節税対策をしないために、正しい知識を身に付けましょう。

年末に高額な車や機械を購入する

年末に駆け込みで高額な車や機械を購入しても、1か月分しか経費計上できません。10万円以上(青色申告者の場合は30万円以上)の固定資産を購入した場合、減価償却資産として扱われます。年の途中で取得した減価償却資産は、経費計上できる分を月割りで計算する点に注意が必要です。例えば、12月に新車を購入した場合、次のように計算します。

《条件》
・購入金額:150万円
・法定耐用年数:6年
・償却方法:定率法
・償却率:0.333

《計算式》
150万円×0.333÷12=4万1,625円

12月に150万円の車を購入した場合、その年の経費として計上できるのは1か月分の4万1,625円です。所得税率を20%とすると節税効果は8,000円程度で、購入金額150万円と比較して少額なことが分かります。

節税しすぎで利益を減らしてしまう

支出を減らすために節税しているにもかかわらず、節税を意識するあまり、不要な支出が増えては本末転倒です。節税対策に取り組むにあたっては、「本当に必要な経費なのか」「十分な節税効果が見込めるものなのか」を慎重に検討する必要があります。

個人事業主の節税対策は税理士に相談を!

個人事業主の確定申告は複雑で、慣れない申告手続きに不安を感じている方もいるでしょう。適切な節税対策に取り組むには、税金や会計に関する専門知識が必要です。

ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)には、抜群の専門性を誇る多くのアドバイザーが所属しています。国際税務にも対応しており、現地スタッフとワンストップでのやり取りも可能です。所得税申告業務も承っています。

個人事業主が賢く税金を抑えるには、専門家のサポートを受けることが効果的です。この機会に、ぜひネイチャーグループにご相談ください。

まとめ

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個人事業主が実践できる節税対策には、幅広い選択肢があります。税務上の制度をうまく活用できれば、損のない確定申告ができるでしょう。特に青色申告には多くのメリットがあり、利用することをおすすめします。

ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)では、個人事業主の節税対策や確定申告に関するご相談を受け付けています。申告書の作成や税金にまつわる手続きのサポートも可能です。節税対策や申告手続きに悩んでいる方は、ぜひお問い合わせください。

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芦田ジェームズ 敏之

芦田ジェームズ 敏之

【代表プロフィール】
資産規模100億円を超えるクライアントの案件を数多く抱えてきた異彩を放つ経歴から、「富裕層を熟知した税理士」として多数メディアに取り上げられている。 培った知識、経験、技量を活かし、富裕層のみならず幅広いお客様に税金対策・資産運用をご提案している。 現在は代表税理士を務める傍ら、英国国立ウェールズ大学経営大学院に在学中(MBA取得予定)。
英国国立オックスフォード大学ELP修了。東京大学EMP修了予定。
また、Mastercard®最上位クラスで、富裕層を多く抱えるクレジットカードLUXURY CARDのオフィシャルアンバサダーに就任。

◇◆ネイチャーグループの強み◇◆
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