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コラム

2019年6月10日国際資産税

海外移住後の日本における税金(配当)について

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非居住者が海外移住後に配当を受領した場合、その配当から差し引かれる源泉所得税はどう計算されるのでしょうか?
租税条約の内容によっては、軽減税率が適用される場合もあります。基本的な知識を抑えておきましょう。

海外移住後の日本の所得税は?

海外移住者にとっては、日本で発生する配当金に対して、どう税金が課されるのか気になるところです。
所得税法上、海外在住後は「非居住者」になりますが、日本の預金や上場株式の配当には日本の税金がかかります。
また、移住先国での税金は、各国ごとの税法によりそれぞれ異なります。

公社債等の債券に対する利息は?

非居住者が日本の銀行に預けている預金に対する利息、公社債等の債券に対する利息の支払いは、原則として、支払額の15.315%が源泉所得税として差し引かれます。
しかし、日本が各国と結ぶ租税条約の中には、預金利息や債券の利息について日本での源泉税率を15%未満に設定している場合があります。
海外移住者の移住地国が軽減税率の締約国の場合は、日本での受取利息かかる税率が低くなることがあるのです。

日本の上場会社株式の配当はどうなる?

非居住者が所有している日本の上場会社株式の配当は、その支払額のうち15.315%が、源泉所得税として差し引かれて支払われます。
日本が各国と結ぶ租税条約の中には、日本での配当に対する源泉税率を15%未満に軽減している国があります。
海外移住者の移住地国が軽減税率の締約国の場合は、日本からの上場株式の配当金について軽減税率が適用されるのがメリットです。

非居住者が日本の上場会社株式を譲渡したらどうなる?

非居住者が日本の上場会社株式を譲渡した場合、原則として譲渡益について課税はされません。
ただし、非居住者が日本滞在中に国内資産を譲渡した場合や、一定の条件にあてはまる株式を譲渡した場合は、日本で課税対象となりますので注意しましょう。
例えば、一時帰国の際に日本の上場会社株式を譲渡すると、日本で課税対象となります。

日本の不動産所得に対する課税はどうなる?

非居住者が日本で保有している不動産から発生する所得は、日本で課税対象となります。
受け取る不動産の賃料について、賃借人は支払額の20.42%を源泉徴収して、賃料を支払います。
なお、賃借人が自己の居住用で使用している場合は源泉徴収の必要はありません。
不動産所得は、受け取った家賃から固定資産税、修繕費、借入利子、減価償却費等の経費を差し引いて計算されます。
所得税を計算する際に適用される税率は、5.105〜40.84%です。
非居住者の確定申告では、基礎控除、寄附金控除、雑損控除のみ、所得控除として控除できます。
所得税を計算した結果、還付となる場合は、申告期限から5年以内に申告すれば還付を受けられます。

日本の不動産を譲渡した場合の課税は?

非居住者が日本国内にある不動産を譲渡すると、国内源泉所得として日本で課税対象になります。
所有期間5年以下の短期譲渡の場合は30.63%、所有期間5年超の長期譲渡の場合は15.315%の税率が適用され、申告分離課税で所得税が計算されます。
非居住者が不動産を譲渡する場合、原則として、不動産の購入者は譲渡対価の10.21%を源泉所得税として差し引いて、売主である非居住者に支払います。
この源泉徴収された金額は、確定申告をすることで精算されます。
なお、不動産の譲渡対価が1億円以下、そして購入者が自己の居住用に購入した場合は源泉徴収が不要です。

日本の公的年金に対する課税はどうなる?

非居住者が受ける日本の公的年金は、国内源泉所得のため日本で課税対象となります。
年金の額から6万円にその年金の額にかかわる月数を乗じた金額を控除した金額に20.42%を乗じた金額が源泉所得税として徴収されます。
なお、日本が各国と結んでいる租税条約の中には、退職年金について日本における課税を免除している条約があります。
海外移住者の移住地国がこの免税となる条約の締約国である場合、日本から受け取る公的年金は、一定の条件を満たせば源泉徴収の対象外となります。

まとめ

今回は、海外移住後の日本における配当等に対する源泉所得税についてみていきました。
非居住者であっても源泉所得税が控除される場合がありますが、軽減税率が適用されるケースもあります。
国際税務に関しては、まずは専門家の税理士に相談することをおすすめします。

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芦田 敏之

芦田 敏之

【監修者プロフィール】 税理士法人 ネイチャー国際資産税代表 国内外の資産税に精通しており、富裕層の資産対策を中心にワールドワイドかつ多数のコンサルティング実績を持ち、世界全体で約100の金融機関の間に人脈があります。資産規模100億円超えのクライアントに数多く対応してきたことから「日本一富裕層を知る税理士」というキャッチコピーで話題に。近年は働きやすい職場環境の普及活動にも意欲を見せており、これまでテレビ番組や日本経済新聞、Forbes JAPANなどさまざまなメディアにも登場しています。

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