税理士法人 ネイチャー国際資産税
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“コラム”

国際資産税

海外移住後の日本における税金(株式譲渡)について

海外在住の方が株式を譲渡すると、どのように課税されるでしょうか?
今回は、海外在住者が株式取引するときに知っておくと便利な、非居住者の株式譲渡について解説いたします。
目次
1 非居住者の株式譲渡とは?
2 非居住者の株式譲渡課税はどうなる?
2.1 非居住者の株式譲渡では課税が生じる?
2.2 非居住者が不動産関連法人の特殊関係株主の場合は?
3 国外転出時課税制度とは?
4 まとめ

1 非居住者の株式譲渡とは?

所得税法上、非居住者とは海外に1年以上住んでいる個人のことを言います。
海外駐在員や国際結婚などの理由で一年以上海外に在住している方も非居住者に該当します。
非居住者に対する課税は、日本国内に事業所・工場・事業を運営するための施設を保有しているか、保有していないかにより課税方法が異なります。
このうち、こういった施設を持っていない非居住者は、国内で発生した源泉所得のみ課税されます。

2 非居住者の株式譲渡課税はどうなる?

株式譲渡とは、投資・M&A・事業承継を目的に、株式を第三者に売却もしくは無償で譲渡することです。
多くの中小企業のM&Aでは、会社の全株式が売買されて、実質的に会社を完全に譲渡する方法がとられます。
株式会社は持ち株数に応じて行使可能な権限が決まるため、債権者への影響はなく、特別決議や債権者保護手続きは不要です。
株式譲渡による課税所得の計算方法は通常の譲渡所得と変わりません。
株式の売却代金から取得費用(株式を購入により取得する際に要した費用)と譲渡費用を差し引いた譲渡所得に課税されます。
譲渡費用とは、例えば株式譲渡の際に起用したM&Aアドバイザー等に支払う手数料です。

▽非居住者の株式譲渡益の計算式
株式譲渡益=株式売却代金−(取得費用+譲渡費用)

2.1 非居住者の株式譲渡では課税が生じる?

日本国内に事業施設を持ってない非居住者は、国内で生じた源泉所得に対してのみ課税されます。
ですが、非居住者が国内株式の売却により得た譲渡所得に対して、一定の条件に合致する場合以外は、原則的に課税されません。
  例外的に、国内株式を大量に買い集めて、その株式を発行法人に対して株式譲渡する場合は、所得税が課税されます。

2.2 非居住者が不動産関連法人の特殊関係株主の場合は?

一方で、非居住者が不動産関連法人の特殊関係株主の場合、通常通り所得税がかかります。
非居住者の株式譲渡における税率は、申告分離課税により15.315%の所得税率となります。
申告分離課税とは、ほかの所得区分とは別に、個別に所得税額を計算する方法であり、上場企業の株式と非上場企業の株式の譲渡区分を分けて所得税額を計算します。

3 国外転出時課税制度とは?

2015年7月1日から「国外転出時課税制度」が開始されたので、非居住者に対する課税には注意が必要です。
従来は、シンガポールなどの一部の国で非居住者が日本所在の株式を譲渡した場合、その国では非課税となるメリットがありました。
「国外転出時課税制度」が開始されてからは、海外で居住者になるために日本から転出する際に、保有資産に対して課税されることになりました。
国外転出する方で、1億円以上の特定の資産を所有する方は、その対象資産の含み益に所得税が課税されますので注意が必要です。

4 まとめ

今回は、非居住者の株式譲渡について解説いたしました。
非居住者であっても、場合によっては株式譲渡による課税の計算方法は通常と変わらず国内の所得として課税されます。
また、これまで海外で税金対策を検討している方も、今は「国外転出時課税制度」が実施されていることにより新たな対策が必要となります。
国際税務の手続きは複雑ですので、何から手を付けていいのかわからない場合は、気軽に税理士に相談してみてはいかがでしょうか?

税理士法人ネイチャー国際資産税は、国際案件の圧倒的な実績と豊富な言語対応でお客様のお悩みやニーズに合ったきめ細やかなサービスを提供できるよう努めております。
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