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2020年10月13日2022年7月13日税務

所得税とは?所得の種類や計算方法を分かりやすく解説

電卓を持った人

日本に住所を有する個人が給与や事業などで所得を得た場合には、所得税が課せられます。身近な税金のひとつに挙げられますが、細かい内容について詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、所得税とはどのような税か、所得区分や課税方法について詳しく解説します。具体的な計算方法についても分かる内容です。この記事を読むことで、所得税率や所得税額を抑えるためのポイントについても理解を深められるでしょう。

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所得税とはどのような税金か

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所得税は1年間の個人の所得に対してかかる税金です。所得を得た個人が確定申告することもあれば、源泉所得税として勤め先の企業が本人の代わりに納税することもあります。

所得税を抑える方法を知るためにも、まずは所得税の概要を確認しましょう。ここでは、所得税の概要や源泉所得税、住民税に関する基礎的な情報を紹介します。

所得税とは

所得税とは、個人が1年間に得た所得にかかる税金のことです。日本国内の居住者であれば、全ての所得に対して課されます。

1月1日から12月31日までの所得が対象で、収入から必要経費や所得控除を差し引いた金額に課税されます。所得税の計算方法は以下の通りです。

・総所得金額=総収入金額-収入から差し引かれる金額(必要経費)
・所得税額=(総所得金額-所得控除)×税率-控除額

なお、2013年1月1日から2037年12月31日までは、所得税に加えて「復興特別所得税(基準所得税額×2.1%)」分の税金も徴収されます。

源泉所得税とは

源泉所得税とは、会社や事業者が給与・賞与を支払う際に所得税分の金額を先に預かり、個人に代わって納める制度(税金)です。1年間に徴収された源泉徴収の税額は、本来納める額と一致しません。

そのため、12月に正確な過不足額を算出し、還付や徴収といった調整がなされます。この、毎月の給料から引きすぎた、あるいは足りない金額を年末にまとめて精算する手続きが「年末調整」です。

住民税との違いとは

会社員の場合、住民税も所得税と同じように給与から天引きされます。しかし、所得税と住民税には、以下のような違いがあります。

  所得税 住民税
納める機関 国(国税) 地方自治体(地方税)
課税方式 申告納税方式 賦課課税方式
対象になる所得 その年の1月から12月までの所得 前年の1月から12月までの所得
税率 超過累進税率 所得税と均等割り

住民税は、救急車やゴミ回収、教育や福祉といった地方自治体のサービスをまかなうための費用です。今年度の所得が対象となる所得税と異なり、前年度の所得に対して税金が課せられます。

所得区分と課税方法

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所得区分とは、所得を種類ごとに分類した括りのことです。自身の得た利益がどの所得区分にあたるかによって、課税方法や税率が異なります。

また、課税方法によっても所得税の求め方が異なるため注意が必要です。正しい所得税額を知り、適切な節税対策を取り入れるためにも、「所得区分」と「課税方法」についてしっかりと知識を深めましょう。

2種類の課税方法

課税方式は、「分離課税」と「総合課税」の2種類に大別されます。分離課税は、他の所得と合計せず、その所得のみに一定の税率をかけて計算する課税方式のことです。

一方、総合課税は、分離課税の対象となる所得以外の、全ての所得を合計した上で所得税額を計算します。分離課税と総合課税の一例は以下の通りです。

【分離課税】
・会社から支払われる退職金など
・預貯金の利息など
・株式や土地建物などの譲渡にかかる所得

【総合課税】
・勤務先から受ける給料や賞与など
・土地や建物の賃貸による利益
・個人での事業活動によって得た所得

所得区分と分類

所得は全部で10種類に区別されています。収入の内容によっては、どの所得区分に分類されるかの判断が難しいため、課税所得の計算をする際は事前に把握しておくことが大切です。

所得区分 概要 課税方法
事業所得 製造業・小売業・卸売業・サービス業や農業・漁業等で個人事業主として得た所得 総合課税
株式の譲渡などで発生した所得 申告分離課税
不動産所得 土地や建物などの不動産の貸付けによって得られる所得 総合課税
利子所得 公社債により発生した利子や、公社債投資信託による分配金などによって発生する所得 申告分離課税
国外銀行への預金の利子など 総合課税
国内銀行への預貯金の利子など 源泉分離課税
配当所得 株主や出資者が出資額に応じて法人から受ける配当や投資信託などによる収益分配による所得 総合課税または申告分離課税(選択可能)
私募による特定目的信託の社債的受益権における収益分配金など 源泉分離課税
給与所得 会社員やパート、アルバイトで働く方が勤務先から受け取る給料、賞与、地域手当や役職手など 総合課税
雑所得 他の所得のいずれにも該当しない所得のうち公的年金や原稿料など 総合課税
株式の譲渡所得(事業規模でない)など 申告分離課税
譲渡所得 土地、建物などの資産の売却による所得 申告分離課税
ゴルフ会員権や機械などの売却による所得 総合課税
一時所得 生命保険の一時金、賞金、競輪や競馬の払戻金など 総合課税
保険などの加入期間が5年以下で、一定の一時払養老保険や一時払損害保険により得た所得 申告分離課税
退職所得 退職したときに受け取る退職金など 申告分離課税
山林所得 5年以上所有している山林の伐採し売却する場合や、立木のまま譲渡する場合に受け取る所得 申告分離課税

同じ区分の所得でも、内容が違えば課税方法も異なります。課税方法を間違えると納める所得税額に誤差が生じるため注意しましょう。
(参考: 『国税庁 所得の種類と課税方法』/ https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/b/01/1_03.htm)

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【総合課税】所得税の計算方法

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所得税の計算式は「(総所得金額-所得控除)×税率-控除額」です。式だけ見るとシンプルなようですが、実際はいくつか手順を踏んで計算する必要があります。

正しい税額を把握するには、計算方法の手順やポイントを事前に確認することが大切です。ここでは、具体的な計算例と併せて手順を紹介します。

所得金額を算出する

収入から必要経費や控除などを差し引きし、所得金額を求めましょう。所得の計算方法は、所得区分により異なります。所得区分と計算方法の一例は以下の通りです。

・事業所得=1年間の総収入金額-1年間の必要経費
・給与所得=収入金額-給与所得控除額 ・不動産所得=総収入金額-必要経費
・利子所得=利子等の収入金額
・公的年金など:雑所得=収入金額-公的年金等控除額

例えば、事業で得た収入が「1,500万円」で経費が「500万円」だった場合、「1,500万円-500万円=1,000万円(所得金額)」と計算します。

課税所得金額を求める

所得金額から控除を差し引きし、課税所得を割り出しましょう。所得控除とは、所得から一定額を差し引きし、税負担を軽減するための制度(控除)です。以下に所得控除の一例をまとめました。

控除 概要
医療費控除 一定額を超える医療費を支払った際に使用できる
社会保険料控除 社会保険料を支払った場合、支払った保険料の合計額を控除できる
生命保険料控除 生命保険料、介護保険料、医療保険料を支払った際に一定額を控除できる
配偶者控除 配偶者の所得が48万円以下の場合に最大48万円を控除できる
扶養控除 扶養する家族がいる場合にひとりあたり最大63万円を控除できる
基礎控除 全ての人が48万円控除できる

基礎控除は全員が対象となる控除です。年収制限を超えていなければ、誰でも所得金額から48万円を差し引きできます。

上記の他にも複数の所得控除がありますが、控除によって適用条件や控除金額が異なるため、適用する際は事前の確認が必要です。詳しい内容は国税庁のホームページを確認しましょう。
(参考: 『国税庁 所得控除のあらまし』/ https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1100.htm)

所得税率をかける

所得税は超過累進課税という制度が採用されており、所得の金額により税率が異なります。課税の対象となる所得金額が多くなると、税率も上がる仕組みです。課税対象となる所得金額、税率と控除額は以下になります。

【所得税の速算表】

課税対象となる所得金額 税率 控除額
1,000円~194万9,000円 5% 0円
195万円~329万9,000円 10% 9万7,500円
330万円~694万9,000円 20% 42万7,500円
695万円~899万9,000円 23% 63万6,000円
900万円~1,799万9,000円 33% 153万6,000円
1,800万円~3,999万9,000円 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

例えば、1,000万円の課税所得がある場合の計算式は「1,000万円×33%-153万6,000円」です。1,000万円の所得に対し、176万4,000円が課税されます。
(参考: 『No.2260所得税の税率 国税庁』/ https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2015/taxanswer/shotoku/2260.htm)

税額控除を差し引く

算出した税額から税額控除をマイナスし、最終的な納税額を求めましょう。税額控除とは、所得税額から一定額を直接差し引きする制度(控除)です。税額控除の対象になるものがあれば、もれなく計上することで、所得税を抑えられます。

【税額控除の一例】
・配当控除
・分配時調整外国税相当額控除
・外国税額控除
・政党等寄附金特別控除
・認定NPO法人等寄附金特別控除
・公益社団法人等寄附金特別控除
・住宅借入金等特別控除

ケース別:所得税の納付方法

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所得税は個人の所得にかかる税金です。そのため、収入を得たときは全て隠さず申告し所得税を納める必要があります。納付方法は源泉徴収の有無や勤務形態など状況によって異なるため、自身のケースを把握しておきましょう。ここからは、所得税の納付方法をケース別に解説します。

勤務先で源泉徴収された場合

会社などの勤務先で源泉徴収がされた場合、源泉徴収した所得税を納めるのは事業者側の義務です。手続きは勤務先がするため、会社員やパート、アルバイトの方は特に納付手続きの必要はありません。

ただし、全ての給与所得者が確定申告不要なわけではなく、以下のようなケースは自身での申告が必要です。

・給与収入が2,000万円を超える
・1か所から給与の支払を受けている方で、給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超える
・2か所以上から給与の支払を受けている方で、年末調整されなかった給与金額と給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える
・医療費控除や住宅ローン控除を受けたい方 など

個人事業主の場合

個人事業主の報酬は源泉徴収されないケースも多く、自身で収入や経費などを記録・計算し、確定申告します。

確定申告・納付期限は原則2月16日~3月15日です。申告や納付が遅れると「延滞税」「無申告加算税」といったペナルティが発生する恐れがあります。早めに手続きを済ませましょう。

【納付方法】
・振替納税制度
・ダイレクト納税
・インターネットバンキング
・クレジットカード
・コンビニ
・金融機関や税務署窓口

所得税額を抑えるための4つのポイント

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所得税を納めるのは国民の3大義務のひとつです。しかし、可能ならば税額を抑えたいと思う方もいるのではないでしょうか。所得控除や税額控除、譲渡損失の繰越控除などを使うことで税負担の軽減が可能です。ここでは、所得税額を抑えるための4つのポイントを紹介します。

所得控除や税額控除の確認をする

所得税額を抑えるために、利用できる所得控除や税額控除がないか確認をしましょう。もれなく計上することで、所得税を抑えられます。

なお、会社員や個人事業主でも取り入れやすい節税方法は、ふるさと納税(寄付金控除)です。希望の自治体に一定額を納税することで、所得税・住民税の計算時に控除を受けられます。

対象となるのは寄付金のうち2,000円を超える部分です。また、控除限度額は年収や家族構成によって異なります。事前に確認を済ませましょう。

青色申告をする

個人事業主は白色申告から青色申告に切り替えることで、青色申告特別控除が受けられます。控除額は最大65万円です。他にも、以下のような税制面に関するメリットがあります。

・青色事業専従者給与を必要経費として計上できる
・赤字所得の繰越や繰り戻しができる
・貸倒引当金の計上が可能になる
・少額減価償却資産の特例制度を適用できる

なお、青色申告をする年の3月15日までに、青色申告承認申請書を提出することで切り替えが可能です。年の途中で開業したときは、2か月以内に承認申請書の提出をしておく必要があります。

損益通算や繰越控除を活用する

上場株式などの譲渡により損失を出した場合は、譲渡損失の繰越控除を活用しましょう。以下は譲渡損失の繰越控除の例です。

  令和元年 令和2年 令和3年 令和4年
年間の譲渡損益  -600万円 400万円 0円 300万円
前年の繰越譲渡損失 なし -600万円 -200万円 -200万円
翌年への繰越譲渡損失 -600万円 -200万円 -200万円 0円
課税対象の譲渡所得 0円 0円 0円 100万円

令和元年で出た600万円の損失は、最長3年間繰越できます。令和2年は400万円の黒字でしたが、前年の損失を繰越したので課税対象の譲渡所得は0円となりました。また、令和4年は300万円の黒字でしたが、200万円の損失額の繰越ができるので課税対象の譲渡所得は100万円です。

このように繰越控除を利用することで税金を抑えられます。なお譲渡損失の繰越控除を利用するためには、課税対象の譲渡所得が0円の場合でも確定申告は必要です。

法人化を検討する

個人事業主の方や不動産投資をしている方で、ビジネスが順調に拡大したときは法人化を検討するのもよいでしょう。法人化することで個人事業主のときにはない控除や制度を利用できます。法人化する代表的なメリットは以下の通りです。

・自身に給与を支払うことで、給与所得控除を活用できる
・退職するときに、退職金を経費(損金)として計上できる
・累進課税を採用している所得税率よりも法人税率のほうが低くなるケースもある
・消費税の納付が2年間免除される 

所得税に関するご相談はネイチャーグループへ

所得税の確定申告書は自身でも作成可能です。しかし、正しい方法で所得税を抑えたい方は税理士に依頼することをおすすめします。適切な控除を利用しながら正確な確定申告ができるだけでなく、日々の事業状況のチェックや身近な税の相談も可能です。

全国にはさまざまな税理士法人がありますが、大切な資産を安全に管理したい方はネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)にご相談ください。

国内のみならず海外の税法にも精通しており、会社の設立から税務の申告までワンストップでサポート可能です。プロフェッショナルなスタッフがお客様の大切な資産を管理いたします。

まとめ

ビジネスマンの写真所得税を正確に納めるためには、所得の種類や仕組みに関する理解を深めることが大切です。また、所得控除や税額控除といった制度内容・税金対策についても事前に確認しておくと、スムーズな納税につながります。

ただし、複雑で手間もかかる所得税の計算を不安に感じる方も多いでしょう。そのようなときはネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)にお任せください。効果的な所得税対策と効率的な確定申告が可能です。

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芦田ジェームズ 敏之

芦田ジェームズ 敏之

【代表プロフィール】
資産規模100億円を超えるクライアントの案件を数多く抱えてきた異彩を放つ経歴から、「富裕層を熟知した税理士」として多数メディアに取り上げられている。 培った知識、経験、技量を活かし、富裕層のみならず幅広いお客様に税金対策・資産運用をご提案している。 現在は代表税理士を務める傍ら、英国国立ウェールズ大学経営大学院に在学中(MBA取得予定)。
英国国立オックスフォード大学ELP修了。東京大学EMP修了予定。
また、Mastercard®最上位クラスで、富裕層を多く抱えるクレジットカードLUXURY CARDのオフィシャルアンバサダーに就任。

◇◆ネイチャーグループの強み◇◆
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