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コラム

2020年10月21日税務

詳しく知りたい家族信託 メリットやデメリット、手続き方法は?

家族写真

財産管理の方法として家族信託を検討されている方もいるのではないでしょうか。家族信託は、家庭の状況によっては適した管理方法となります。家族信託のメリット・デメリットを知っておけば、将来の安定した生活にもつながるでしょう。

そこでこの記事では、家族信託の基礎知識や、メリット・デメリット、手続き方法などについて詳しく解説します。財産管理の方法に悩まれている方はぜひ参考してください。

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【基礎知識】家族信託

預金通帳写真

ここでは、財産管理の方法として近年注目されている家族信託の基礎知識を解説します。認知症やその他の疾病に伴う財産管理に関するリスクへの備え、事業承継など、家族信託を利用する理由はさまざまです。家族信託の仕組みについて知識を深めましょう。

家族信託は財産管理の手段のひとつ

家族や信頼できる人に財産の管理を信託できる手段が家族信託です。信託には以下の2種類があります。

  • 商事信託:営利
  • 民事信託:非営利

家族信託は民事信託に入ります。商事信託が信託会社や信託銀行に財産の管理を託し、信託報酬を支払う仕組みであるのに対し、家族信託は信用できる親族に財産管理を託しますが、非営利であるという認識です。(あえて信託報酬を設定するケースもあります)

2007年に改正信託業法が施行されたことによって一般にも利用しやすくなり、財産管理の手段のひとつとして選択するケースが増えつつあります。

ケース別で分かる家族信託の仕組み

ここからは家族信託の仕組みを解説します。主な3つの役割を以下にまとめました。

役割名 内容
委託者 財産を託す人
受託者 ・信託財産を管理する人
・信託財産の名義人となる
受益者 ・信託財産から出た利益を得る人

親子間での信託契約を例に、ケース別で仕組みを見ていきましょう。

【親が子に信託し自ら利益を得る場合】

委託者 受託者 受益者

【親が子に信託し子が利益を得る場合】

委託者 受託者 受益者

【親が子に信託し委託者・受託者以外が利益を得る場合】

委託者 受託者 受益者

受益者は委託者本人や個人、法人に設定することも可能です。現在は存在していない子孫を受益者に設定することもあります。

家族信託が注目を浴びている3つの理由

近年、家族信託を利用する方が増えている背景として以下のような理由が挙げられます。

  1. 認知症への備えになる
    近年、認知症患者数が増え、自己判断ができない高齢者も増加傾向にあります。たとえ親族であっても、本人から託されていない状態で預金の引き出しや財産の処分はできません。家族信託によってスムーズな財産管理が期待できます。
  2. 任意後見制度の利用には限界がある
    認知症や病気などに起因する相続問題の対策として、任意後見制度があります。任意後見制度とは、判断能力がある元気なうちに財産管理の後見人を決める制度で、成年後見制度のひとつです。
    実際に後見人が管理を始めるのは財産を持つ方の判断能力が低下した後となります。さらに、家庭裁判所の管理下で財産を管理するため、理想通りの運用は難しいといえるでしょう。
  3. 財産の承継に安心感が持てる
    家族信託では、信託契約が完了した時点から受託者が財産管理を始めます。そのため、委託者は信託財産の運用状況の確認やアドバイスがしやすいといえます。

【知っておきたい】家族信託|4つのメリット

家計見直し写真

家族信託には、主に「財産管理が容易にできる」「柔軟に財産管理ができる」「相続や財産承継の順位付けができる」「倒産隔離機能が活用できる」という4つのメリットがあります。メリットを理解しておくことによって、家族信託がマッチしているか判断できるでしょう。以下に詳しく紹介します。

財産管理が容易にできる

家族信託を選択するメリットとして、認知症や病気、事故などによって判断能力が低下した場合に備えられることが挙げられます。元気なうちから将来のリスクに備え、運用や管理の方法を引き継いでおけば、以後の財産管理もスムーズに運びやすくなるでしょう。

例えば親を委託者と受益者に指定し、子供を受託者とすれば、自身で運用できなくても老後の資金として活用可能です。

柔軟に財産管理ができる

成年後見制度を利用して将来に備える方法もあります。しかし、必ずしも希望通りに親族が後見人に選任されるわけではないことや、専任された場合でも負担が大きくなる点を把握しておきましょう。後見人は、一定期間ごとに家庭裁判所への報告が求められます。また、積極的な運用は難しいのも実態です。

また、後見人は、財産を持つ方の判断能力が低くなってから役割を果たします。一方、家族信託であれば本人がフォローしながら管理を始めることもできるため、家族の負担の軽減にもつながるでしょう。

財産承継の順位を明確にできる

順位を指定した遺産相続も視野に入れられることも家族信託の特徴です。一般的に財産承継や相続の対策として、生前贈与や遺言書の作成がなされます。しかし、遺贈や生前贈与をした財産に関しては、その次の代で相続する人物の指定はできません。

家族信託では次の受益者だけでなく、さらに先(3代目)の受益者の指定が可能です。将来のトラブルを回避しながら安定した承継につなげられるといえるでしょう。

倒産隔離機能が活用できる

倒産隔離機能とは、信託財産に関係のない債務を負ってしまった場合でも、信託財産は差し押さえられないという機能です。将来、委託者や受託者が負債を負ったとしても、信託財産は残ります。

ただし、受益者は財産そのものではなく、信託受益権という債権を持つことになります。受益者が負債を負い、強制執行の対象になった場合は差し押さえとなる場合もあるため、注意が必要です。

【ここは注意】家族信託|4つのデメリット

頭を抱える写真

柔軟性が高く便利な面が目立つ家族信託ですが、メリットだけでなくデメリットもあります。デメリットを知らないまま利用すると、損をする場合もあるかもしれません。自分に合った財産管理方法を知るために、家族信託のデメリットも把握しておきましょう。ここでは4つのポイントに絞ってデメリットを紹介します。

受託者の指定でトラブルになる可能性がある

家族信託では、名義を本人から受託者に変更して管理することが基本のため、適切に管理できる受託者を選定することが大切です。受託者の指定に関して次のようなトラブルが考えられます。

  • 受託者の候補となる人が拒否する
  • 家族の中から指名された受託者への不満が出る

委託者の判断能力が低下する前から受託者に管理・運用を任せられることはメリットですが、他の家族も納得し、適切な管理ができる人物を見極めなければいけません。ずさんな管理により価値が低下した場合などは、トラブルに発展する恐れもあることを考慮しておく必要があるでしょう。

身上監護は想定されていない

身上監護とは、後見人の職務のひとつで、被後見人の住居確保や生活環境の整備など、生活していく上で必要な契約や手続きを代行することを指します。

成年後見制度では民法第858条で身上配慮義務が規定されており、身上監護が前提です。一方、家族信託は基本的に財産管理のために信託契約を結んでいるため、基本的に身上監護は想定されていません。後見人でなければ果たせない内容もあると認識しておきましょう。

(参考: 『民法』)

契約外の財産については遺言で対応する必要がある

家族信託には遺言書のような機能が含まれていますが、正式な遺言書ではありません。家族信託契約書に記載がない財産については、通常の相続手続きを踏むことになります。

遺産分割協議では、希望していた相続人に遺産が渡らない場合も出てくるかもしれません。相続問題の火種になる事態を避けたいときは、遺言書で信託財産以外の財産について記載しておくと安心です。

家族信託による節税効果は見込めない

家族信託では、名義が委託者ではなくなるため、委託者が税金を支払う義務はありません。一方で信託財産の運用によって発生した利益には税金がかかるため、受益者には納税の義務が発生します。

他にも状況により贈与税・相続税・所得税・住民税などが発生することを覚えておきましょう。課税対象となる税額を抑えるために家族信託を検討されている方もいますが、節税という観点からは効果を見込めないかもしれません。

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【家族信託】検討した方がよいケース

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家族信託にはメリットとデメリットがあり、誰にでもおすすめの財産管理方法というわけではありません。自身の状況と合っているか検討する必要があるといえるでしょう。ここでは、家族信託を検討した方がよいケースを4つ紹介します。

認知症や他の疾病などに備えておきたい場合

近年、認知症患者数は増加傾向にあります。内閣府資料によると、平均寿命に比べて健康寿命の延びは小さい傾向にあり、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるとの推計も出ているのが現状です。

平均寿命が延びていることに伴い、脳卒中やがんなどの疾病にかかる確率も上がっているといえるでしょう。このような場合に備えておきたいという方には、家族信託がおすすめです。

判断能力が低下する前から財産を託せるため、管理・運用について一定期間見届けられるのは安心材料になるでしょう。将来のリスクに元気なうちから備えられるのは、家族信託の大きな魅力です。

(参考: 『平成29年版高齢社会白書(概要版)内閣府』)

事業をしている場合

家族信託は事業承継の際にも活用できます。株式会社の場合、多くのケースで株式が信託財産となりますが、原則として該当する株式が信託財産に属する旨を株主名簿に記載すれば信託手続きが可能です。(会社法第154条の2)

また、例えば委託者と受益者を経営者、受託者を後継者にする場合では、「指図権」を経営者に付与することによって、株式を後継者に移転させた上で経営者としての立場は維持できます。

(参考: 『会社法』)

2代~3代先の相続も自身で指定したい場合

遺言書などによる一般的な相続において、指定できるのは一次相続までです。しかし家族信託であれば3代先まで受益者を指定できます。

3代目の受益者まで指定できるのであれば、4代目も指定したいと考える方もいるのではないでしょうか。しかし信託法第91条によって、信託設定後30年を経過した後、新たな受益権の取得は一度のみで、その受益者の死亡により終了するという、いわゆる「30年ルール」があります。従って、実質的に家族信託で4代目受益者の指定はできません。

(参考: 『信託法』)

家族に遺産分割協議の負担をかけたくない場合

遺言書を作成していない場合には、遺産分割協議にて相続する財産などを決定します。家族間であれば、故人の遺志を反映させようとするかもしれません。しかし状況によっては、分配でもめる可能性も考えられます。

家族信託は遺言書のような役割も持つことが特徴です。希望の人物を受託者や受益者として指定できるため、結果的として遺産分割協議の負担を減らすことにつながります。

【家族信託】発生する税金の種類

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家族信託を選択して財産管理をする場合には、ケースごとにさまざまな税金が発生することになります。税金について認識不足であった場合、損を被る可能性があるだけでなく追徴課税を課される事態にもなりかねません。ここでは、家族信託を選択すると発生することがある5つの税について解説します。

受益権を売却したときにかかる「所得税」

家族信託における受益者とは受益権を持つ人物のことを指します。受益権とは、信託財産から生じる利益を得る権利や、利益を守るために一定の行為ができる権利のことです。(信託法条2条6項・7項)

受益権は債権でもあり、他者に売却した際は所得税がかかります。売却前の受益者が法人であった場合は、法人税がかかることも覚えておきましょう。

(参考: 『信託法』)

受益権を受け取ったときにかかる「贈与税」(委託者と受益者が異なる場合)

贈与税は、財産の贈与を受けた際にかかる税金で、家族信託の場合も委託者と受益者が異なるときに発生します。受益者は、信託財産の受益権を受け取るため、贈与とみなされることがポイントです。

ただし、委託者と受益者が同一である「自益信託」の場合は、受益者=委託者となり、贈与税はかかりません。

受益者としての地位を引き継いだときにかかる「相続税」

家族信託では、贈与税を避けるために委託者と受益者を同一にするケースが多く見られます。この場合、贈与税はかかりませんが、委託者が亡くなった際は相続税の納税義務が発生する場合があります。

具体的には、受益者でもあった委託者が亡くなり、新たな受益者が設定された場合です。このように、委託者が亡くなったことにより受益権が移転した場合には、相続税がかかることになります。

信託不動産の所有権を受託者に移転したときにかかる「登録免許税」

財産管理をする上で、不動産の管理を信託する場合もあるでしょう。不動産を信託財産として設定するときには、所有権移転登記と信託登記が必要です。その際に登録免許税が課されます。信託設定時の税率は以下です。なお、登録免許税の税率は状況によって変わります。

【信託を設定したとき】

登記の種類 税率
所有権移転登記 非課税
信託登記 ・土地:固定資産評価額の3/1,000(令和3年3月31日まで)
・建物:固定資産評価額の4/1,000

【家族信託】手続きの前に必要となる準備

家族信託の手続きに入る前に必要となる準備についてまとめました。

  • 家族信託を選ぶ目的を明確にする
    例えば将来の生活への備えや事業承継など、家族信託を選択する目的を明確にしておく必要があります。当事者だけでなく、他の家族と認識を合わせておくことも大切です。
  • 信託する財産の決定と受託者の選定
    不動産、預貯金といった信託する財産を選択しましょう。財産の全てを信託財産にする必要はありません。また、財産を管理・運用することになる受託者は、他の家族も納得のいくような、信頼のおける人物を選定しましょう。
  • 信託監督人についての方針を決めておく
    信託監督人を設置すれば財産の管理・運用の客観的なチェックが可能です。状況に応じて設置するかしないか、また誰に依頼するかを決めましょう。

【家族信託】手続きや契約時にかかる費用

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ここからは、家族信託に関する手続きを依頼した場合や、契約時にかかる費用について紹介します。あらかじめ流れを理解しておけば、スムーズな手続きができるでしょう。必要な資料なども事前に用意しておくと安心です。

家族信託の手続きの流れ

手続きは以下のような流れで進みます。

  1. 信託の目的と信託契約の内容を決定する
    家族や関係者が集まり、信託財産や受託者、受益者を決定します。目的や運用方針について共通認識が持てるように話し合いましょう。
  2. 信託契約書の作成
    信託契約書は明確な表現で記載する必要があります。また、公正証書にしておく方がトラブル防止の観点からも好ましいといえるでしょう。
  3. 信託する不動産の名義を変更する
    信託する財産に不動産がある場合は、所有権移転および信託登記が必要です。
  4. 信託専用口座を新設し、委託者の金銭を信託する
    財産の管理をする上では、専用の口座を作っておくとお金の動きを把握しやすくなります。確認不足による申告漏れの防止にも効果的といえるでしょう。

これらの準備が整った後、財産運用を開始します。

家族信託で発生する費用

家族信託では公正証書の作成費や登録免許税などの費用がかかります。以下に発生することが多い費用をまとめました。なお、信託監督人や受益者代理人を置く場合は報酬を設定することもあります。

内容 費用の目安
公正証書にて信託契約書を作成するための費用 ・1万円~10万円程度
※財産の価額によって異なる
不動産信託財産の登録免許税
※一例として信託を設定したとき
・土地:固定資産評価額の3/1,000(令和3年3月31日まで)
・建物:固定資産評価額の4/1,000
コンサルティング料(依頼したとき) ・信託財産が1億円以下:1%
・信託財産が1億円~3億円:0.5%

 

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相続や財産承継のお悩みは専門家への相談が解決の早道!

家族信託という財産管理の手段がニーズとマッチするかは、状況によって異なります。見極めが難しい場合は専門家に相談することで早く解決できるかもしれません。相続や財産承継の問題はトラブルに発展するケースも多いため、手段は慎重に選ぶことが大切です。

ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー国際資産税、株式会社ネイチャーFAS)では、相続や財産承継に関するご相談に適切なアドバイスをいたします。複雑で不備が出やすい税金に関しても、資産対策に精通している税理士によって、手間をかけることなく正確な納税が可能です。お悩みの方は、ぜひご相談ください。

まとめ

相続写真

家族信託には、判断能力が低下するリスクに備え、財産管理を家族や信頼できる人に託せるというメリットがあります。管理の状況を見守りながら運用ができる点も魅力です。家族間でのやり取りがメインとなるため、トラブルに発展しないよう工夫や段階を踏む必要があります。

適切な管理ができれば、将来の生活への支えになるだけでなく、希望する人物に財産を渡せることもポイントです。ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー国際資産税、株式会社ネイチャーFAS)では、豊富な知識と実績を持つ専門家が希望に沿ったご提案をいたします。資産運用に関するセミナーも定期的に開催していますので、お問い合わせください。

芦田 敏之

芦田 敏之

【監修者プロフィール】 税理士法人 ネイチャー国際資産税代表 国内外の資産税に精通しており、富裕層の資産対策を中心にワールドワイドかつ多数のコンサルティング実績を持ち、世界全体で約100の金融機関の間に人脈があります。資産規模100億円超えのクライアントに数多く対応してきたことから「日本一富裕層を知る税理士」というキャッチコピーで話題に。近年は働きやすい職場環境の普及活動にも意欲を見せており、これまでテレビ番組や日本経済新聞、Forbes JAPANなどさまざまなメディアにも登場しています。

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