2021年1月18日
2021年1月5日税務
確定申告のやり方が知りたい これで解決!書き方や注意点を徹底解説します

例えば年間2,000万円以上の収入がある方や退職所得がある方、個人事業主の方は確定申告で税金を納付する必要があります。これまで手続きをした経験がない方は、確定申告のやり方が分からないと悩むこともあるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、書類の準備から納税までステップに分けて手続きを解説します。流れや青色申告と白色申告の違いなどを把握することで、自分に適したやり方が判断できるでしょう。申告書A・Bの書き方も紹介します。
確定申告のやり方|納税までの流れや提出方法
確定申告の際には、収入を記載する申告書の他に印鑑や口座情報も必要です。申告書を作成する前に情報を整理し、具体的な流れを確認しておくことでスムーズな提出につながるでしょう。ここでは、納税までの流れや注意点について解説します。
1.必要な書類の準備
確定申告には確定申告書以外にも以下のような書類が必要です。あらかじめそろえておきましょう。
必要な書類 | 内容・役割 |
---|---|
確定申告書 | 1年間の収入や経費を記載する |
収支内訳書・青色申告決算書 | 確定申告とセットで提出 |
口座情報 | 還付金がある場合の入金先 |
はんこ | 確定申告書等に押印する |
帳簿・領収書(レシート) | 1年間の取引記録を証明する |
源泉徴収票(必要な場合) | 差し引かれた源泉徴収の内訳を証明する |
医療費控除の明細書(必要な場合) | 年間10万円を超える医療費に対する控除が適用される |
社会保険料控除証明書や寄付金受領証明書(必要な場合) | 控除が適用される |
マイナンバーカードまたはマイナンバーが記載された書類 | 身分証明 |
2.帳簿の整理
収入や借り入れ、交通費のような必要経費といったお金の出入りを記録した「帳簿」を整理します。帳簿の記帳方式は、白色申告は単式簿記、青色申告ならば複式簿記です。スムーズに整理するために、以下の書類を準備しましょう。
- クレジットカードの明細書
- 請求書
- 領収書・レシート
- 受領書
収入や経費に関わる書類を全て集めて、ひとつずつ帳簿に反映します。量が膨大な場合、1週間や1か月単位に分けて整理するとよいでしょう。個人事業主は帳簿や書類を5年~7年保存します。
3.確定申告書の作成
1月1日~12月31日の帳簿を整理できた後は、確定申告書類の作成へ進みましょう。かつては自分で計算して手書きで作成する方法が一般的でしたが、現在は専用ソフトを使ったりWebサイトで作成したりといった選択肢もあります。
- 手書きで作成する
- 税理士に代理を依頼する
- 確定申告ソフトを活用する
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から作成する
自分に合った方法を選んで作成しますが、不安に感じる方は税理士に依頼するとよいでしょう。
4.確定申告書の提出
確定申告書や収支内訳書、青色申告決算書を作成の後は、必要書類と共に税務署に提出します。提出方法は以下の通りです。
- 税務署の窓口に提出
- 郵便や信書便で税務署へ郵送
- 税務署の時間外収集箱へ投函
- 国税庁のWeb納税システム「e-Tax」で提出
郵便の準備や手続きの時間が煩わしく感じる場合、外出することなく提出可能な「e-Tax」がおすすめです。
5.納税
税金を納めれば確定申告は完了です。税の種類によって納付期限が異なります。以下の表を参考に、納税方法もチェックしておくと安心です。
納付期限 | 所得税 | 3月15日 |
---|---|---|
消費税 | 3月31日 | |
納付場所・方法 | ・e-Tax上でダイレクト納付 ・インターネットバンキングによる納付(e-Taxの利用手続きが済んでいる場合) ・税務署の窓口で現金納付 ・振替納税 ・クレジットカードで納付 ・コンビニエンスストア(30万円以下)で納付 |
現金で納める際には、窓口の営業時間に注意しましょう。手続きが面倒なときは、あらかじめ引落口座を指定することで振替納税が利用できます。
青色申告と白色申告の違いは?
確定申告する際に押さえておきたいのは、青色申告と白色申告の違いです。特別控除の有無や作成の難易度に関して異なるメリットがあります。適切な方法は申告者により変わるので、メリットだけでなくデメリットも確認しましょう。
白色申告のメリットと注意点
確定申告のうち、比較的簡単な方法が「白色申告」です。事前申請の必要がなく、単式簿記なので作成の負担が少なく済みます。記載する項目が少なく、計算が苦手な方でもスムーズに作成しやすい方法といえるでしょう。ただし、青色申告のような特別控除はありません。
メリット | デメリット・注意点 |
---|---|
事前に申請する必要がない | ・収支内訳書の提出のみ ・記入項目が少ない(計算しやすい) ・特別控除がない |
青色申告のメリットと注意点
青色申告の大きなメリットは、最高65万円の特別控除です。ただし、青色申告をするには申告する年の3月15日まで(事業開始から2か月以内)に開業届と青色申告承認申請書を所轄の税務署に提出しなければなりません。また、記帳方式が複式簿記なため、簿記の知識に長けていないと難しい側面もあります。
メリット | デメリット・注意点 |
---|---|
・最高65万円の「青色申告特別控除」が受けられる ・青色事業専従者給与を経費に計上できる ・損失の繰越しや繰戻しができる |
・事前の申請が必要 ・書類作成が難しい(項目が複雑) |
確定申告書AとBの違いは?
確定申告書にはAとBの2種類があります。それぞれの違いは以下の通りです。
種類 | 対象 |
---|---|
確定申告書A | 申告する所得が以下のみの方が利用可能 ・給与所得 ・雑所得(年金など) ・配当所得 ・一時所得 予定納税のない方 |
確定申告書B | ・所得の種類を問わず利用可能 |
例えば、会社員や年金受給者は確定申告書Aを、事業所得や不動産所得がある方は確定申告書Bを使用します。どちらを使用するか迷った場合、汎用版である確定申告書Bで作成するとよいでしょう。
申告書A・B|確定申告書の書き方
確定申告書を作成するときは、実際の書き方を事前にチェックすると安心です。確定申告書A・Bいずれも「第一表」「第二表」の2つに記入します。項目の内容や書き方の流れを把握すれば、迷いやミスが減るでしょう。ここでは、第一表と第二表の書き方について解説します。
確定申告書の第一表の書き方
第一表には申告者の基本情報や納める税額を記入します。以下の流れを参考に、帳簿整理といった準備を終えてから反映しましょう。
項目 | 記入内容 |
---|---|
基本情報 | 申告者の名前や住所、電話番号 |
収入金額等 | 1年間の収入金額 |
所得金額 | 収入金額から経費などを差し引いた金額 |
所得から差し引かれる金額(所得控除) | 基礎控除や社会保険料控除などの合計額 |
税金の計算 | 課税される所得金額や納める税金を算出 |
その他 | 配偶者の合計所得金額(配偶者控除を受ける場合)や青色申告特別控除額(青色申告の場合) |
還付される税金の受取場所 | 還付金を受け取る口座情報 |
配偶者控除や医療費控除といった控除を受ける場合、記入する項目が多くなります。金額に間違いがないよう、入念に確認しましょう。
確定申告書の第二表の書き方
第二表には、所得に関する詳しい内訳や保険料などの控除額を記入します。主な項目は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
基本情報 | 申告者の住所と名前 |
所得の内訳 | 収入金額の詳細 |
雑所得・配当所得・一時所得に関する事項 | それぞれの所得金額(該当する所得がある場合) |
所得から差し引かれる金額に関する事項 | 社会保険料控除や生命保険料控除、寄付金控除(ふるさと納税)といった控除に関する情報 |
住民税に関する事項 | 住民税に影響を与える情報(16歳未満の扶養家族がいる場合など) |
確定申告書Bには住民税に関する事項だけでなく、「事業専従者に関する事項」「事業税に関する事項」もあります。記入の必要性は申告者によって異なるため、事業内容や生活環境に応じて記入しましょう。第三表以降を必要とするケースもありますが、多くの場合、第一表と第二表で申告できます。
確定申告書の作成|プロに任せるのが安心
確定申告の作成は、収入源が多く項目が増えるほど負担を感じます。書類作成や手続きが不安な方は、ぜひネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー国際資産税、株式会社ネイチャーFAS)にお任せください。
国内外で経験を積んだ専門家が、お客様のお悩みや希望に応えます。専門性の高い分野でコンサルティングを実施しており、幅広い観点からサポートが可能です。確定申告書の作成や手続きだけでなく、税務顧問も担っています。豊富な知識を持ったプロが担当するため、複雑な書類作成の時間節約にも効果を発揮するでしょう。
まとめ
確定申告をして税金を納付するには事前の準備が大切です。必要な書類や申告書の種類に関する理解を深め、自身に適したやり方で手続きしましょう。確定申告書の項目についても事前に把握することで、スムーズな記入につながります。
確定申告のやり方について不安や悩みがある方は、ぜひ一度ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー国際資産税、株式会社ネイチャーFAS)にご相談ください。ストレスフリーで安心な申告をしましょう。

芦田 敏之
【監修者プロフィール】 税理士法人 ネイチャー国際資産税代表 国内外の資産税に精通しており、富裕層の資産対策を中心にワールドワイドかつ多数のコンサルティング実績を持ち、世界全体で約100の金融機関の間に人脈があります。資産規模100億円超えのクライアントに数多く対応してきたことから「日本一富裕層を知る税理士」というキャッチコピーで話題に。近年は働きやすい職場環境の普及活動にも意欲を見せており、これまでテレビ番組や日本経済新聞、Forbes JAPANなどさまざまなメディアにも登場しています。