NATURENATURE

  • mail

2022年3月23日2022年8月30日税務

所得税の計算方法は?源泉徴収の仕組みも解説

画像

所得税は個人の所得に対して課される税金で、対象となる所得は10種類に区分されます。その中でも企業から受け取る給与は「給与所得」と呼ばれ、所得税や社会保険料が差し引かれた金額が支給されるのが一般的です。

「所得税の計算方法を知りたい」「給与からどのくらいの金額が源泉徴収されるのか知りたい」という方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、所得税の計算方法や源泉徴収の仕組みについて解説します。源泉徴収税額の計算方法も分かる内容にまとめました。

資産運用・相続対策ウェブセミナー申込はこちら

無料相談はこちら

所得税の計算方法

画像
所得税は、「所得税額=(所得金額-所得控除)×税率-税額控除」によって求めます。所得金額は、その年の1月1日から12月31日までの所得の合計です。所得は10種類に区分され、それぞれ収入や経費として認められる範囲、計算方法などが決められています。

所得は10種類に分けられる

所得は次の通り10種類に分かれます。手元に入ってきた収入がどの所得に該当するのか、確認してみましょう。なお所得の課税方法には「総合課税」と「分離課税」があります。総合課税はその他の所得と合算して税額を求めますが、分離課税では他の所得と区分して計算する点に注意が必要です。

所得の種類 概要
利子所得 ・預貯金、国債、社債などの利子や公社債投資信託などの配当による所得
・受け取り時に所得税が源泉徴収される「源泉分離課税」
・原則として確定申告は不要
配当所得 ・株式や投資信託(利子所得の対象となる投資信託を除く)の配当による所得
・総合課税または申告分離課税から選択できる
不動産所得 ・土地建物の他、借地権といった不動産にまつわる権利などによる所得
・総合課税の対象
事業所得 ・農業、卸売業、サービス業など、自営業で得た所得
・総合課税の対象
給与所得 ・勤務先から受け取る給与や賞与などの所得
・総合課税の対象
・給与が支払われる都度、源泉徴収される
退職所得 ・勤務先から受け取る退職手当などの所得
・退職所得控除を差し引いた金額の2分の1が分離課税される
山林所得 ・山林を伐採して売却したり、立木のまま譲渡したりすることによる所得
・分離課税の対象
譲渡所得 ・不動産や株式などの資産を譲渡することで発生する所得
・土地や建物、株式等以外の譲渡所得は総合課税の対象
一時所得 ・懸賞などの賞金や競馬の払戻金、生命保険の一時金などが該当
・一時所得のうち2分の1が総合課税される
雑所得 ・上記のどの所得にも該当しない所得
・公的年金などが該当し、原則として総合課税の対象

所得控除とは?

所得税を計算する上で、所得金額から所得控除額を差し引けます。所得控除のうち、適用要件に該当するものは忘れずに利用しましょう。所得控除には、次のようなものがあります。

所得控除の種類 概要
雑損控除 災害や盗難などによって損害を受けた場合
医療費控除 本人および生計を一にする配偶者や親族のために一定額の医療費を支払った場合
社会保険料控除 本人および生計を一にする配偶者や親族のために健康保険料などの社会保険料を支払った場合
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済などの掛金を支払った場合
生命保険料控除 生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の保険料を支払った場合
地震保険料控除 地震保険料を支払った場合
寄附金控除 特定の寄附金を支払った場合
障害者控除 本人や控除の対象となる配偶者、扶養親族が障害者である場合
寡婦(寡夫)控除 夫(妻)と死別または離婚し、所得金額など一定の要件に該当する場合
ひとり親控除 婚姻をしていないまたは配偶者の生死が明らかでない人のうち一定要件を満たす場合(令和2年分の所得税から適用開始)
勤労学生控除 本人が勤労学生であり、所得が一定の金額以下である場合
配偶者控除 配偶者の所得が一定の金額以下の場合に最高38万円(配偶者が70歳以上であれば最高48万円)の所得控除が受けられる
配偶者特別控除 本人の所得が1,000万円以下で、配偶者の所得が一定の金額以下の場合
扶養控除 子や父母・祖父母など所得が一定金額以下の扶養する親族がある場合
基礎控除 本人の合計所得金額が2,500万円以下の場合

給与所得には「給与所得控除」が適用できる

給与所得の金額は、勤務先から受け取った給与や賞与などの合計額から「給与所得控除」を差し引いて計算します。所得控除の金額は次表の通り定められています。

【令和2年分以降】

給与などの収入金額 給与所得控除額の計算方法
~162万5,000円 55万円
162万5,001円~180万円 収入金額×40%-10万円
180万1円~360万円 収入金額×30%+8万円
360万1円~660万円 収入金額×20%+44万円
660万1円~850万円 収入金額×10%+110万円
850万1円以上 195万円

給与所得を計算する上で、給与所得控除以外に「特定支出控除」を差し引ける場合があります。

特定支出控除とは給与所得のある人が通勤費や職務上必要な旅費、転勤に伴う転居費などの特定支出があった場合に、給与所得控除後の金額からさらに控除できる特例制度です。ただし、特定支出控除として認められる費用は、勤務先が証明したものに限られます。

所得税の税率

所得税の税額は、所得金額から所得控除額を差し引いて求めた課税所得金額に、定められた税率を乗じて求めます。

所得税の税率は超過累進税率が採用されており、所得が多くなるほど税率も段階的に高くなる仕組みです。超過累進課税には、所得や財産が多い人からより多く集めた税金を所得や財産の少ない人に分配する「所得の再分配」の働きがあります。

税率を乗じる課税所得金額は、1,000円未満の端数金額を切り捨てた後の金額です。所得税の税率は、課税所得金額に応じて次の通り5%から45%の7段階に分かれています。

課税所得金額 税率 控除額
1,000円~194万9,000円まで 5% 0円
195万円~329万9,000円まで 10% 9万7,500円
330万円~694万9,000円まで 20% 42万7,500円
695万円~899万9,000円まで 23% 63万6,000円
900万円~1,799万9,000円まで 33% 153万6,000円
1,800万円~3,999万9,000円まで 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

表中の控除額は、所得税を簡便に計算するために用いるものです。課税所得金額が650万円のケースを例にすると、「650万円×税率20%-控除額42万7,500円=87万2,500円」と計算します。

税額控除は所得税額から直接差し引ける

税額控除は所得税額から直接差し引けるため、大きな節税効果があります。主な税額控除は、次の通りです。

税額控除の種類 概要
配当控除 総合課税される配当所得がある場合、原則として配当所得の金額の10%または5%
外国税額控除 外国で生じた所得に対してその国の税金が課されている場合、一定金額を控除
寄附金控除 政党や認定NPO法人、公益社団法人などに対して支払った一定の寄附金について一定額を控除
住宅借入金等特別控除 住宅の新築や購入などのために住宅ローンを組んだ場合、年末ローン残高をもとに計算した金額を一定期間控除
住宅耐震改修特別控除 昭和56年5月31日以前に建築された一定の家屋について耐震改修をした場合、一定の金額を控除
住宅特定改修特別税額控除 バリアフリーや省エネ、多世帯同居、耐久性向上のための改修をした場合、一定金額を控除

お役立ち資料をプレゼント

 

給与所得者の所得税は源泉徴収される

画像 給与所得者における所得税の申告納税の多くは、勤務先による毎月の源泉徴収と年末調整によって完了します。毎月の給与から源泉徴収される所得税の金額が気になる方もいるのではないでしょうか。ここでは、源泉徴収の仕組みや源泉徴収税額の計算方法について解説します。

源泉徴収の仕組み

源泉徴収とは、会社などの事業主が給与支払金額から源泉徴収税額を差し引き、納税者本人の代わりに納付する仕組みのことです。所得税の申告や納付は事業主が本人に代わって行うため、原則として給与所得者本人が確定申告を行う必要はありません。

ただし医療費控除やふるさと納税など寄附金控除を受ける場合や、給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超える場合などには確定申告を行います。

給与所得者における源泉徴収税額の計算

毎月の給与や賞与からどのくらいの源泉徴収税額が差し引かれるのかは、国税庁が公表している「給与所得の源泉徴収税額表」で調べられます。

給与所得者の源泉徴収税額表には「月額表」「日額表」「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の3種類がありますので、それぞれ該当するものを参照するとよいでしょう。源泉徴収税額は、社会保険料控除後の給与または賞与の金額を基準にして確認します。

いずれの表においても、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人は「甲」欄、提出していない人は「乙」欄を参照しましょう。日雇い賃金の場合は、日額表の「丙」欄を参照します。なお「給与所得者の扶養控除等申告書」とは年末調整の際に使用する書類で、扶養控除の対象者がいる場合に提出するものです。

月額表と日額表では、社会保険料控除後の給与と「甲」欄や「乙」欄、「丙」欄の交わる箇所を参照することで源泉徴収税額が確認できます。

賞与の源泉徴収税額は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で調べた算出率を用いて次の計算算式で求めましょう。

・賞与の源泉徴収税額=賞与から社会保険料等を差し引いた金額×算出率

(参考: 『給与所得の源泉徴収税額表(令和3年分)|月額表』/https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2020/data/01-07.pdf)
(参考: 『給与所得の源泉徴収税額表(令和3年分)|日額表』/https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2020/data/08-14.pdf)
(参考: 『賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和3年分)』/https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2020/data/15-16.pdf)

給与から差し引かれる社会保険料は4種類

給与所得者の源泉徴収税額を調べる際は、社会保険料を差し引いた給与や賞与を基準にします。給与から差し引かれる社会保険料は、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の4種類です。

社会保険料の種類 概要
健康保険料 ・職業や企業によって組合健康保険、協会けんぽ、国民健康保険の3種類に分かれる。このうち健康保険料が給与から差し引かれるのは、組合健康保険と協会けんぽ
・健康保険料は「標準報酬月額×保険料率」で計算。保険料率は加入している健康保険によって異なるが、協会けんぽの場合10%前後
・「標準報酬月額」には、4月・5月・6月に受け取った報酬の平均額が適用される
介護保険料 ・40歳から64歳までの健康保険の加入者が支払う社会保険料
・保険料は「標準報酬月額×保険料率」で求める。協会けんぽにおける令和3年3月分の料率は1.80%
厚生年金保険料 ・国民年金に上乗せされる年金で会社員・公務員が対象
・国民年金部分と上乗せ部分の保険料の合計額を「厚生年金保険料」と呼ぶ
・計算式は「標準報酬月額×保険料率」。料率は現在のところ18.300%で固定
雇用保険料 ・雇用見込みが31日以上で、1週間当たり20時間以上の所定労働時間がある従業員は必ず加入しなければならない保険
・雇用保険料の計算式は、原則として「労働者に支払う賃金総額×保険料率」
・保険料率0.9%のうち、会社が0.6%、従業員が0.3%を負担する仕組み


上記のうち、雇用保険料以外の保険料は事業主と従業員が半分ずつ負担します。給与から差し引かれるのは、従業員の負担分のみです。

源泉徴収した所得税はどのように納付する?

画像
会社員の場合、所得税の申告は給与や賞与から毎月差し引かれ、年末調整によって過不足分が調整されるため手続きに手間はかかりません。従業員から源泉徴収した所得税は、事業主が代わって申告・納付する必要があります。

ここでは、事業主における源泉所得税の申告納付の方法の他、源泉所得税の計算ミスがあった場合の対処法に焦点をあてました。

源泉所得税の申告・納付

源泉徴収を行う義務のある人は、原則として給与支払いの翌月10日までに、源泉徴収した所得税と復興特別所得税を納付しなければなりません。ただし給与の支払い人数が常時10人未満で「源泉所得税の納期の特例」が適用できる場合は、年2回(7月・2月)の納付にまとめられます。

原稿料や税理士の報酬などに対する源泉徴収も忘れずに行いましょう。支払報酬の源泉徴収税額は、支払金額のうち100万円以下は10.21%、100万円超の部分は20.42%を乗じて計算します。

申告納付の際は、「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」に必要事項を記入し提出しましょう。

源泉所得税の計算ミスがあった場合

源泉所得税の計算は複雑であるために、計算ミスが発生することも考えられます。給与計算のミスによって源泉所得税に過不足が出てしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

源泉所得税を納め過ぎたケースでは、2通りの対処方法があります。ひとつ目は、誤って納め過ぎた源泉所得税を還付してもらう方法です。この場合は「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額還付請求書」を提出します。

ふたつ目は、納め過ぎた額をその後の源泉所得税に充当してもらう方法です。この場合は「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額の充当届出」を提出しましょう。還付・充当のいずれの場合でも、誤納付した際の所得税徴収高計算書と誤納付したことが分かる帳簿(預かり金の総勘定元帳など)を添付する必要があります。

納付した源泉所得税額が本来の納付額より少なかった場合には、差額を追加納付しましょう。納付は、通常時に使用している所得税徴収高計算書で行います。「△月○日提出分 追加納付」など、摘要欄に追加納付であることが分かるような記載をするとよいでしょう。

資産運用・相続対策ウェブセミナー申込はこちら

ミスのない所得税の計算は税理士にお任せください!

所得税の計算は複雑です。誤った所得税額で申告をしてしまうと、過少申告加算税などの罰則金が課されることもあります。また源泉徴収税額の算定を含む給与計算でミスがあるとその後の訂正にも労力が必要です。正しく適正な申告のためにも、税理士に依頼することをおすすめします。

ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)は、抜群の専門性を誇る税理士が数多く在籍する税理士法人グループです。資産運用にも特化しており、節税効果の高い資産運用のご提案もできます。

適切に税金を抑えながら間違いのない申告をするためには、税理士のサポートが効果的です。ぜひこの機会に、ネイチャーグループにご相談ください。

まとめ

画像
所得税の計算式は、「所得税額=(所得金額-所得控除)×税率-税額控除」です。毎月の給与から差し引かれる源泉徴収税額は、国税庁ホームページに掲載される「給与所得の源泉徴収税額表」で確認できます。

従業員ひとりひとりの源泉徴収税額を確認しなければならない給与計算は、手間のかかる作業です。給与計算を含めた税金の申告は、ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)にお任せください。ご相談はオンラインで全国対応が可能です。問い合わせフォームよりお気軽に申し込みいただけます。

資産運用・相続対策ウェブセミナー申込はこちら

無料相談はこちら

芦田ジェームズ 敏之

芦田ジェームズ 敏之

【代表プロフィール】
資産規模100億円を超えるクライアントの案件を数多く抱えてきた異彩を放つ経歴から、「富裕層を熟知した税理士」として多数メディアに取り上げられている。 培った知識、経験、技量を活かし、富裕層のみならず幅広いお客様に税金対策・資産運用をご提案している。 現在は代表税理士を務める傍ら、英国国立ウェールズ大学経営大学院に在学中(MBA取得予定)。
英国国立オックスフォード大学ELP修了。東京大学EMP修了予定。
また、Mastercard®最上位クラスで、富裕層を多く抱えるクレジットカードLUXURY CARDのオフィシャルアンバサダーに就任。

◇◆ネイチャーグループの強み◇◆
・〈富裕層〉×〈富裕層をめざす方〉向けの税金対策/資産運用専門ファーム
・日本最大規模の富裕層向けコンサルティング
・国際的な専門家ネットワークTIAG®を活用し国際案件も対応可能
・税理士法人ならではの中立な立場での資産運用

お問い合わせCONTACT

ご相談・ご質問など、
お気軽にお問い合わせください。

mali ご相談フォーム

資料ダウンロードDOWNLOAD

資料

download 無料ダウンロード
資料ダウンロード 資料ダウンロード

本サイトでは、クッキーを利用します。アクセスすることにより、クッキーの使用に同意するものとさせていただきます。