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2022年4月20日2022年8月30日税務

個人事業主は法人税を支払うの?事業活動に発生する税金の種類と法人化のメリット

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個人事業主と法人では課される税金の種類や税率が異なります。これから事業を始める方や法人化を検討している個人事業主の方の中には、税制度の違いが気になる方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、個人事業主と法人が納める税金の種類について詳しく紹介します。

事業活動で得た利益が増えると、税負担も重くなります。納める税金を減らし手元資金を増やすには、税金に関する知識を深めることが大切です。法人化のメリットや注意点も解説するので、よりよい環境で事業活動をしたい方はぜひ参考にしてみてください。

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個人事業主と法人の違いは?

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個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を営む者のことです。一方、法人は人と同じような権利や義務を与えられた組織を指します。個人事業主と法人の主な相違点は以下の通りです。

  個人事業主 法人
資本金 不要 必要
決算月 12月31日 自由
確定申告 2月16日~3月15日 決算日より2か月
損失繰越 3年間(青色申告の場合) 10年間
社会的信用 法人に比べて低い 高い

個人事業主も法人も「事業を展開して利益を得る」という点は同じですが、上記のような違いがあります。特に違いがあるのは、税制面です。個人事業主と法人では、納める税金の種類や利用できる控除、課税される税率が異なります。

個人事業主に発生する税金の種類

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個人事業主に課される税金は、所得税や住民税のようななじみのある税金がほとんどです。法人に比べると税制度の内容や税額計算が簡単で、確定申告といった税務処理も難しくありません。個人事業主として開業予定のある方は、課される税金の種類や概要を事前に確認しておきましょう。

所得税

所得税は、1月1日から12月31日までに個人が得た所得に対して課される国税です。個人事業主の所得区分は事業所得で、「(売上-必要経費-所得控除)×税率-控除額」で求められます。超過累進課税を採用しており、所得が増えるほど税率が高くなるのが特徴です。

課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超~390万円以下 10% 9万7,500円
330万円超~695万以下 20% 42万7,500円
695万円超~900万円以下 23% 63万6,000円
900万円超~1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円超~4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超 45% 479万6,000円

(参考: 『所得税の税率|国税庁』/https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm)

復興特別所得税

復興特別所得税は、復興対策の財源確保を目的として成立した税制です。東日本大震災の復興対策として始まり、現状では平成25年から令和19年までの所得に課せられます。

所得税額に対して課される税金で、税率は2.1%です。例えば、所得税額が100万円の場合、復興特別所得税額は100万円×2.1%=2万1,000円です。

個人住民税

個人住民税は、住所地管轄の市区町村と都道府県に納める地方税です。地方自治体が教育や医療といったサービスを運営・提供する際の財源として利用されます。均等割と所得割で構成されており、税率(税額)は以下の通りです。

  税率(税額) 補足
均等割 所得金額にかかわらず定額 均等割の金額は各自治体によって異なる
所得割 所得に対して一律10% 前年の所得に応じて課税される

個人事業税

個人事業税は、都道府県に納める地方税で、課税対象となる業種と一定額の所得を超えた場合にのみ課税されます。

計算式は「(事業所得+青色申告特別控除+事業主控除額)× 税率」で、税率は3%~5%程度です。事業主控除の金額は290万円であるため、収入が290万円以下なら課税対象から外れます。なお、税率や課税対象の業種は各都道府県のホームページで確認しましょう。

その他の税金

事業の内容や従業員の有無といった条件によっては他にも税金がかかる場合があります。課される税金の一例は以下の通りです。

・消費税
顧客から受け取った消費税から、必要経費にかかった消費税分を差し引いた金額を納税します。前々年の課税対象売上高が1,000万円以下の場合(前年の1月1日から6月30日までの課税対象売上高か給与支払額が1,000万円超の場合を除く)と、開業後2年間は納税義務が発生しません。

・源泉徴収税
従業員に支払う給料、原稿料や弁護士報酬にかかる源泉徴収税も個人事業主が納める税金のひとつです。1回で支払う金額が100万円以下の場合は「支払金額×10.21%」、100万円を超える場合は「(支払金額-100万円)×20.42%+10万2,100円」で計算します。

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法人に発生する税金の種類

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法人化した会社に発生する税金は、主に3種類です。制度の概念は個人事業主にかかる税金とほとんど変わりませんが、税率や計算方法が大きく異なります。ここでは、法人に発生する税金の種類や概要を詳しく紹介します。

法人税

一般的に「法人税」と呼ばれているのは、法人が事業活動で得た所得にかかる税金です。国に納める税金で、課税対象法人や事業活動を展開している法人が納税義務者です。計算式は「課税所得×税率-税額控除額」で、課税所得を割り出す際は企業会計で出た利益から益金や損金を税務調整します。

所得税の超過累進課税率とは異なり、法人税では比例税率を採用しています。税率は最大23.20%で、所得の大小にかかわらず同じ税率が課せられる仕組みです。ただし、法人の種類や資本金の規模によっては軽減税率を適用できます。詳しくは国税庁のサイトをご確認ください。

法人住民税

法人も地方自治体の公共サービスを受ける機会があるため、対価として法人住民税を納める必要があります。

法人住民税は、都道府県民税と市町村民税で構成された税金です。さらに、都道府県民税は「均等割」「法人税割」「利子割」、市町村民税は「均等割」と「法人税割」に分けられます。税率は自治体で異なるため、所在地の自治体のホームページを確認しましょう。

法人事業税

法人事業税は、都道府県の公共サービスを利用するにあたって、費用の一部を負担する目的で納める地方税です。

税額は「課税標準×税率」で求めます。一般的な法人の場合、「課税標準=課税所得」です。一方、資本金1億円超の法人は、「所得+付加価値額+資本金額」が課税標準となる外形標準課税が採用されます。なお、税率は各地方自治体のホームページをご確認ください。

その他の税金

令和元年に創設された「法人特別事業税」も法人に課される税金のひとつです。都市部と地方の所得格差をなくす目的で導入されました。計算式は、「基準法人所得割額または基準法人収入割額の標準税率相当額×税率」です。法人特別事業税は法人事業税と併せて納付します。

課税標準額 法人の種類 税率
基準法人所得割額 外形標準課税法人・特別法人以外の法人 37%
外形標準課税法人 260%
特別法人 34.5%
基準法人収入割額 小売電気事業等・発電事業等及び特定卸供給事業を営む法人以外の法人 30%
小売電気事業等・発電事業等及び特定卸供給事業を営む法人 40%

他にも、消費税や自動車税、固定資産税が発生するケースがあります。法人に課される税金は、税率や適用条件が細かく決まっており、計算が複雑な点に注意が必要です。

個人事業主が法人化する6つのメリット

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法人化とは、会社を設立し法人として事業を営むことです。これから起業する予定の方や個人事業主としての事業が軌道に乗り始めた方は、法人化に悩むこともあるでしょう。個人事業主が法人化するメリットは6つあります。法人化のメリットを確認しながら、自身の事業内容や規模に見合う活動方法を選択しましょう。

給与所得控除を適用できる

法人化すると法人から給与が支給されるため、所得区分が給与所得になります。一人社長や役員が受け取る報酬でも変わりません。一方、個人事業主が事業活動で得た利益の所得区分は、事業所得です。

事業所得は「利益-必要経費」で計算しますが、給与所得は経費が発生しないため給与所得控除を差し引けます。経費で差し引ける金額が少ない場合、給与所得控除のほうが控除額は大きいため、税金対策に効果的です。

家族と所得を分配すれば節税できる

所得税は所得に応じて税率が上がる超過累進課税を採用しているため、一人が1,000万円の所得を得るよりも、世帯主と配偶者で500万円ずつ分配したほうが納める税額を抑えられます。世帯全体の所得金額は変えずに所得税だけを減額できる効率的な節税対策です。

個人事業主にも家族を専従者にする制度がありますが、いくつかの適用条件を満たす必要があります。専従者給与の届け出も必要で、手間がかかるのもデメリットです。一方、法人が給与を支払うのであれば、特別な手続きは必要ありません。事務手続きを減らせるのもメリットといえるでしょう。

損失を繰越できる期間が長くなる

事業活動を営んでいると、年間の所得が黒字になる年だけでなく、損失が出て赤字になる年もあります。そういった場合、黒字所得と過去の赤字所得を相殺できる「損失繰越」を利用できます。

個人事業主が損失繰越できるのは、翌年以降3年間です。一方、法人は10年間繰り越せます。将来的に黒字が見込まれるものの、初期投資でしばらくは赤字が続きそうな事業を営む場合、法人化することで総合的な損失を小さく抑えられるでしょう。

経費に計上できる範囲が広がる

個人事業主と法人では、経費に計上できる項目や対象範囲が異なります。法人のほうが経費として計上できる範囲が広いため、節税に効果的です。例えば、法人は以下のようなものが経費の対象となります。

・社宅
・出張費用
・慰安旅行
・冠婚葬祭にかかる費用
・生命保険料
・役員の退職金

生命保険料を例に挙げると、個人事業主が生命保険に加入している場合、所得控除分しか差し引けません。一方、法人として生命保険契約を結べば、一定額から全額を経費として計上可能です。経費が増えれば課税所得を減らせるため、節税効果が期待できます。

社会保険に加入できる

社会保険に加入できるのも、法人化のメリットのひとつです。通常、個人事業主が社会保険に加入するには一定の条件を満たさなければならないため、規模の小さい事業を営む個人事業主は国民健康保険・国民年金保険に加入するのが一般的です。

ただし、国民年金は年金額が少なく、老後の生活が不安という方も少なくありません。厚生年金に加入することで、法人として支払う会社負担分の保険料は増えますが、個人が老後に取得できる年金額も増えます。また、福利厚生は従業員が魅力を感じるポイントです。手厚い保証を求めて、優秀な人材の求人応募が増えるかもしれません。

社会的信用が増し融資を受けやすくなる

事業を法人として営むことで、取引先や金融機関からの信用が増します。取引先からの信用が高まれば、より多くの取引ができるようになり事業利益も増えるでしょう。

また、社会的信用が高まることで、金融機関からの融資も受けやすくなります。審査の際に主に見られるのは返済能力の有無です。「安定的な資産がある」「税金や社会保険料をしっかりと支払っている」といった実績があれば、返済能力を評価してもらえます。融資金があれば、より大規模な事業を運営できるため、将来の可能性が広がるでしょう。

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法人化する際の2つの注意点

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メリットの多い法人化ですが、法人として事業活動を展開する際は注意点もあります。メリットだけでなく、デメリットや注意点も確認して納得できる方法を選択しましょう。ここでは、法人化する際の2つの注意点を紹介します。

法人設立には資金が必要

法人を設立する際は、まとまった資金が必要です。資本金1,000万円の縛りは撤廃されたため、資本金0円でも会社設立は可能ですが、最低でも以下の費用がかかります。

・公証人手数料:5万円
・登録免許税:15万円

他にも、社会保険に加入する際の会社負担分、法人住民税の均等割として支払う資金が必要です。特に、法人住民税の均等割は利益の金額に関係なく課税されます。たとえ利益がなく赤字でも、年間7万円の納付義務が発生するため注意しましょう。

事務手続きの負担が増える

法人の税務処理は複雑です。税務処理が不適切だと税務署からペナルティーを受ける場合があるため、ミスがないよう時間と手間をかけて丁寧に処理する必要があります。事務手続きの負担が増えるのは、事業活動を営む上でデメリットといえるでしょう。

また、安定して事業を営むには、税金や資産運用に関する知識も必要です。法人化する際は、専門知識を持った専門家に相談することも検討するとよいでしょう。

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まとめ

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個人事業主と法人では、課される税金の種類や税率が異なります。これから事業を始める方や個人事業が軌道に乗り法人化を検討中の方は、事業内容や事業規模に合う運営方法を選択しましょう。

法人化には税制面のメリットが多数あるものの、税務手続きが複雑で負担が増えるといったデメリットもあります。税務処理にお困りの際は、ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)にご相談ください。専門知識を持つアドバイザーが、税務相談から申告業務まで丁寧にサポートします。

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芦田ジェームズ 敏之

芦田ジェームズ 敏之

【代表プロフィール】
資産規模100億円を超えるクライアントの案件を数多く抱えてきた異彩を放つ経歴から、「富裕層を熟知した税理士」として多数メディアに取り上げられている。 培った知識、経験、技量を活かし、富裕層のみならず幅広いお客様に税金対策・資産運用をご提案している。 現在は代表税理士を務める傍ら、英国国立ウェールズ大学経営大学院に在学中(MBA取得予定)。
英国国立オックスフォード大学ELP修了。東京大学EMP修了予定。
また、Mastercard®最上位クラスで、富裕層を多く抱えるクレジットカードLUXURY CARDのオフィシャルアンバサダーに就任。

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