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コラム

2019年4月9日国際資産税

「税金逃れ」は無理?海外への証券移管時における情報開示について

平成27年より導入された「国外証券移管等調書制度」は、国内証券口座から国外証券口座へというような
国境を越えた有価証券の移管を行なった際に適用される制度です。
果たしてどのような制度なのでしょうか?
制度設立の目的も含めてご紹介いたします。

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海外口座に有価証券を移管する前に、制度を理解しておきましょう!

海外への移住や仕事の都合などで、所有している有価証券を国内の証券口座から海外の証券口座へ移管することをお考えの方もいると思います。

このような海外への証券移管についての制度が「国外証券移管等調書制度」です。はじめに、この制度の趣旨をご説明します。

海外口座への証券移管に関する新制度は時代の要請によるもの

従来より国税庁は、「国外送金等調書」や「国外財産調書」を活用し、富裕層の海外への資産移動や、
海外での経済活動による所得の情報を捕捉し、適正な課税を試みてきました。

しかし、近年は株式等の有価証券のペーパーレス化が進み、海外の証券会社との金融取引も盛んになってきました。
これにより、有価証券を海外口座に移管させて、運用所得や譲渡所得を確定申告しないという事例が発生してきました。

新制度は海外への資産移動による”税金逃れ”の監視が目的

そのため国は、平成26年度税制改正で、日本と海外の証券口座間の有価証券移管を行なった場合に、
その行為に対する調書の提出を義務づける「国外証券移管等調書制度」を導入しました。

新調書制度は、日本・海外間の有価証券移動についての情報把握を可能にし、これまでの現金移動に関する国外送金等調書に加え、
富裕層の国外への資産移動による”税金逃れ”に対する監視をより一層強化させました。

海外への証券移管における情報開示はどのように行なわれるのか?

このように、「国外証券移管等調書制度」は海外口座への証券移管による税金逃れへの監視を目的に導入されました。
この制度により、国外への資産移動の情報はより厳しく監視されることとなりましたが、その情報の開示はどのように行われるのでしょうか?
制度の概要を説明します。

海外への証券移管の情報開示は証券会社によって行なわれる

海外の証券口座への証券移管を依頼する方は、依頼時に「氏名または名称及び住所、有価証券の銘柄を含めた取引内容などの事項」を記載した
「告知書」を金融商品取引業者に提出しなければなりません。

そして依頼を受けた金融商品取引業者は、証券移管ごとに「依頼者の指名・名称及び住所、取引内容等」の一定事項を記載した
「国外証券移管等調書」を作成し、翌月末までに所管税務署に提出します。

つまり、実際の移管業務を行なう証券会社に報告義務があるため、依頼者が海外口座への証券移管を国に申告しないことは、事実上不可能となったのです。

海外に資産を持つ富裕層は確定申告時に報告義務がある

「国外証券移管等調書制度」により、海外の証券口座へ有価証券の移管を行なう際の、実質的な情報開示義務が課されました。
これにより、富裕層に対する海外の”資産隠し”および”税金逃れ”への監視はこれまで以上に強化されました。

したがって、海外口座を利用した有価証券の運用所得や譲渡所得を確定申告時に申告しない行為は、税務調査等のリスクが高まっただけでなく、
申告しない行為そのものが非常に難しくなっていると言えるでしょう。

「国外証券移管等調書制度」が導入され、”海外に5,000万円以上の資産を保有する者は確定申告時にその内訳を申告する”という義務を課した
「国外財産調書制度」の有効性がより強まりました。海外に資産を保有する富裕層の”税金逃れ”目的の脱税行為に対する監視は、より厳しくなったと言えるでしょう。

まとめ

「海外に資産を移せば税金から逃れられる」といった話も今は昔。
有価証券のペーパーレス化は、海外口座への証券移管を簡易にしたものの、
国税庁は対策をすぐに打ち出してきました。
要らぬトラブルを起こさぬよう、海外の口座への証券移管や、確定申告は適切に行なうようにしましょう。

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芦田 敏之

芦田 敏之

【監修者プロフィール】 税理士法人 ネイチャー国際資産税代表 国内外の資産税に精通しており、富裕層の資産対策を中心にワールドワイドかつ多数のコンサルティング実績を持ち、世界全体で約100の金融機関の間に人脈があります。資産規模100億円超えのクライアントに数多く対応してきたことから「日本一富裕層を知る税理士」というキャッチコピーで話題に。近年は働きやすい職場環境の普及活動にも意欲を見せており、これまでテレビ番組や日本経済新聞、Forbes JAPANなどさまざまなメディアにも登場しています。

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