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資金調達にはどんな方法がある?特徴を知ってベストな方法を選ぼう!

芦田 敏之
【監修者プロフィール】 税理士法人 ネイチャー国際資産税代表 国内外の資産税に精通しており、富裕層の資産対策を中心にワールドワイドかつ多数のコンサルティング実績を持つ。世界全体で約100の金融機関との取引を経験している。資産規模100億円超えのクライアントに数多く対応してきたことから「日本一富裕層を知る税理士」というキャッチコピーで話題。近年は働きやすい職場環境の普及活動にも意欲を見せており、これまでテレビ番組や日本経済新聞、Forbes JAPANなどさまざまなメディアにも登場している。


会社の事業拡大や起業など、ビジネスシーンにおいてはさまざまな場面で資金が必要となります。新たなビジネスを始める場合には、多額の資金を必要とすることがあり、自己資金だけでは足りない場合もあるでしょう。自己資金のみでは足りない場合、どのような方法で資金調達をすればよいのか分からない、という方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、資金調達にはどのような方法があるのか、さらには各方法の特徴についても解説していきます。把握すれば、自分に合った最適な資金調達方法が見つかるでしょう。



資金調達には3種類の方法がある


資金調達という言葉から、「銀行融資」をイメージする方も多いのではないでしょうか。資金調達と一口にいっても、方法はひとつだけではありません。
よくイメージされる銀行融資は、「負債」によって資金を得る方法です。ほかには、「資産」を資金に変えたり、「投資」を資金に変えたりする方法があります。資金調達の種類は、以下の3種類にまとめることができるでしょう。

・資産を資金に変える「アセットファイナンス」
・負債によって資金調達をする「デッドファイナンス」
・投資をしてもらい資金調達をする「エクイティファイナンス」

それぞれで特徴が異なるため、自分に合った資金調達方法を利用するのが重要です。ここからは、それぞれの資金調達方法を詳しく解説していきます。

アセットファイナンスのメリット・デメリット

資産を資金に変えるのが「アセットファイナンス」です。そのほかの資金調達方法が外部からの調達になるのに対し、アセットファイナンスは自己資産を利用します。自分の資産を使うことで発生するメリットやデメリットをチェックしてみましょう。

アセットファイナンスとは?

アセットファイナンスは、会社がもっている資産を有形や無形を問わずに売却し、資金を調達する方法です。資産を売却すれば、相手先から売却代金が支払われます。支払われた売却代金を資金として利用するのがポイントです。売却する資産としては、以下が挙げられます。

・不動産
すでに使っていない土地や建物を売却する

・無駄な在庫
倉庫に抱えている無駄な在庫を売ることで、資産を得られるほか管理コストの削減も可能

・営業権
商標権や開発権など、無形資産を売却する

メリット:資産をもとに低コストで資金を得られる

アセットファイナンスのメリットは、資産をもとにコストをかけずに資金を得られることにあります。使っていない土地や建物、無駄な在庫などが売却できれば、自社の損失やコストがほとんどかからない状態で資金にできるでしょう。
そればかりか、無駄な在庫を抱えていることによる「保管コスト」、土地や建物の「管理費用」などが解消されるのもポイントです。その結果、財務体質の改善が図られ、経営効率が高まります。
若い会社などで信用力が十分にない場合、銀行から融資を受けられずに資金調達ができない可能性もあるでしょう。アセットファイナンスを利用すれば、会社の信用力が低い状態であっても資金を調達できるのもメリットです。

デメリット:信用のある資産を保有していることが条件

アセットファイナンスで資金を得るには、信用力のある資産を保有していることが条件となります。「信用力のある資産」は、将来的に現金を生み出せる資産のことです。
自社がいくら「よい資産である」とアピールしても、買い手が付かなければ資産は得られません。相手側からすれば、将来的に現金を生み出せる資産でなければ、購入しても損をする可能性があります。多くの会社が「ほしい」と思えるような、信用力があり魅力的な資産がないと、資金調達は困難です。

デッドファイナンスのメリット・デメリット


アセットファイナンスが自社の資産を利用して資金調達するのに対し、デッドファイナンスは負債を増やして資金調達をする方法です。アセットファイナンスと比較して、外部とのやり取りがさらに強くなります。資金調達の難易度は比較的低く、多くの関係先から資金調達ができます。
ここでは、デッドファイナンスのメリットやデメリットについて解説します。

デッドファイナンスとは?

デッドファイナンスは、銀行借入や債券発行など、負債を用いて資金調達を行う方法です。銀行だけでなく、さまざまな機関から資金調達が可能となります。デッドファイナンスによる主な資金調達方法を以下にまとめました。

・手形割引
商品を提供した際に受け取った手形を、満期前に銀行に売却する

・不動産担保ローン
不動産を担保とし、ローンを組む

・社内預金制度
社員が会社に預金を行い、預金されたお金を資金として利用する

メリット:税金を抑える効果がある

デッドファイナンスで資金調達をすると、税金を抑えられるのがメリットです。銀行などから融資を受けた際の利息の支払いは、税務上「損金」として処理されます。会社の利益が損金分少なくなるため、節税効果が生まれるのがポイントです。
ほかの資金調達方法と比較して、資金の調達先が多いこともメリットといえます。さまざまな機関から資金を得られる可能性があり、安心感を得ることができるでしょう。自社の状況に合った調達先を選択できるので、効率よく資金調達できるのも魅力です。

デメリット:借入資金によって自己資本比率が下がる

デッドファイナンスは金融機関などから借入をするため、自己資本比率は下がります。その結果、既存・新規を問わず、取引先から資金力がないと判断されてしまう可能性もあるでしょう。資金力がないと判断されると、今後の取引に影響したり、新規での取引を見送られたりする恐れがあります。
返済と利息の支払いが生じるため、キャッシュフローの減少が起こるのもデメリットのひとつです。結果的に、将来的に健全な企業経営がしにくくなる恐れがあります。


エクイティファイナンスのメリット・デメリット


エクイティファイナンスは、投資を受けることによって資金調達を行うのが特徴です。ほかの資金調達方法と比較して分かりにくい部分がありますが、うまく活用すれば企業経営をより安定させることができる可能性があります。
エクイティファイナンスには多くの資金調達方法があるため、自社に合った方法を選ぶことが重要です。

エクイティファイナンスとは?

エクティファイナンスは株式交付と引き換えに出資を受け、資金調達をします。ほかの資金調達方法と同様に、さまざまな種類があるのが特徴です。以下に、主な資金調達方法をまとめました。
・第三者割当融資
第三者に自社の株を売ることで、売却額を資金とする

・ベンチャーキャピタル
ベンチャー企業に出資を行い、上場したところで出資資金を回収して利益を得る

・事業譲渡やM&A
子会社を売却する、事業部門を売却するなどして資金調達を行う

メリット:資金の返済義務が発生しない

エクイティファイナンスの場合、資金の返済義務が生じないのが大きなメリットです。デッドファイナンスの場合は、利息を含めて月々の返済が生じます。その場合、将来のキャッシュフローに不安が残ると同時に、自己資本比率の減少が発生するのも大きな痛手です。

エクイティファイナンスの場合は、資金の返済義務がないため自己資本が増強されます。その結果、会社の財務基盤の安定へとつながり、より安定した企業経営を行えるようになるのが強みです。

デメリット:会社の経営権が握られる可能性がある

エクイティファイナンスの大きなデメリットとして、会社の経営権が握られてしまうリスクが挙げられます。出資者が増えるに連れて、出資額が多い投資家が発生する可能性があるでしょう。多くの出資をすることで発言権が強くなり、会社に「物言う株主」になる可能性が出てきます。

会社の経営権が握られてしまった場合、企業経営の一貫性、さらには安定性までもが崩れることが考えられるでしょう。ほかにも、株主に対して配当金の支払い義務が生じるのもデメリットといえます。


自分にぴったりの資金調達方法を探そう!


3つの資金調達方法を紹介してきましたが、それぞれの方法の中でもさまざまな調達方法があることが把握できたでしょうか。資金調達先や方法が大きく異なるため、それぞれの内容をしっかりと把握することが大切です。
それぞれの内容を把握すれば、自分の状況に合った調達方法で資金を得られます。ここでは、10個の資金調達方法を紹介しますので、自分に合った調達方法を見つけましょう。

1.ファクタリング

ファクタリングとは、所有している売掛債権を売却し、売却益を資金とする方法です。売掛債権は売掛金とも呼ばれ、商品を提供した際にクライアントから受け取る「代金が支払われる権利」のことを指します。
実際に代金が支払われるまでには1か月~2か月の期間を要します。通常であれば支払われるまで待ちますが、満期になる前の代金の受け取りも可能です。売掛金を満期に到達するよりも前に売却することを、ファクタリングと呼んでいます。満期前に売却をすると手数料が発生しますが、即日で代金を受け取れるのはメリットです。
ファクタリングをしておけば、万が一売掛先が倒産した場合でも、代金回収が不可能になるリスクを回避できるというメリットもあります。

2.銀行からの融資

銀行からの融資は、最もメジャーともいえる資金調達方法です。一口に銀行融資といっても、大きく分けて2種類の融資方法があります。「信用保証協会の保証付き融資」と、銀行独自に融資する「プロパー融資」の2つです。それぞれの融資方法で、融資先となる企業が変わります。
信用力の低い企業は、「信用保証協会の保証付き融資」を受けるのが一般的です。信用力が低いと、しっかりと返済が行われないリスクがあるため、信用保証協会の保証が付きます。
信用力の高い企業は、「プロパー融資」を受けるのが一般的です。過去に返済実績があるなど、信用力が高い企業は返済不可能となるリスクが低いため、信用保証協会の保証は付きません。
プロパー融資を受けるためには、信用保証協会の保証付き融資で返済実績を積む、十分な収益性が見込まれるようにするなどの実績が必要です。

3.日本政策金融公庫からの融資

日本政策金融公庫とは、国が100%の出資をしている金融機関を指します。一個人のための銀行ではなく、主に中小企業や個人事業主のための政府系金融機関です。政府系金融機関としては、「日本政策金融公庫」と「商工組合中央金庫」の2つがあります。

さまざまな融資制度が提供されていますが、経営者が利用する融資としては、主に以下の融資制度が挙げられます。

・一般貸付
ほとんどの業種で事業を営む方向けの融資で、最大4,800万円の融資を受けられる

・新規開業資金
新たに事業を開始する方や、事業開始後からおおむね7年以内の方向けの融資で、最大7,200万円の融資を受けられる

・マル経融資
商工会議所などが実施する経営指導を受け、なおかつ長の推薦のある方が最大2,000万円の融資を受けられる

・新創業融資制度
新たに事業を開始する方、または事業開始後で税務申告を2期終えていない方が最大3,000万円の融資を受けられる

(参考; 『日本政策金融公庫 融資制度一覧から探す』)

4.自治体からの融資

国だけでなく、地方自治体からの融資もあります。地方自治体においては、「制度融資」が設けられているのが特徴です。制度融資とは、企業が銀行から借り入れを行う際に、信用保証協会が債務について保証をする制度を指します。信用保証協会の保証が付くことで銀行のリスクがなくなり、信用力の低い企業にも融資が行えるようになります。
信用力の低い中小企業にとっては有用な制度ですが、審査の過程が多く、審査に合格するまで最短でも2か月から3か月の時間を要します。「50%以上の自己資金を用意すること」を融資の条件としているケースが多いのも特徴です。手元にある資金が少ない場合に、多くの資金を調達することには適していないといえます。

5.ビジネスローン

ビジネスローンとは、銀行や消費者金融が提供する商品で、実績が少なく信用力も低い企業向けの融資です。プロパー融資が受けられない、信用保証協会の保証が付いた融資も受けられない、という中小企業や零細企業に向いています。
融資を受けるための審査が緩く、無担保や保証人がいなくても融資を受けられるのが特徴です。ただし、その分金利は高めの設定であることが多くなります。金利が高いと返済に苦労し、将来的なキャッシュフローの悪化につながる恐れがあるので注意しましょう。

消費者金融のビジネスローンであれば、最短で即日での融資も可能です。すぐにでも資金調達をしたいという、緊急性のある場合に利用しやすい融資といえます。


6.家族や知人からの借り入れ

家族や友人からの借り入れも、資金調達の方法です。「頼みやすい」というメリットがあります。特に家族の場合は、遠慮なく会話ができるためにスムーズな相談が可能です。「金利はどのくらいに設定するか」「期間はいつまでにするか」「借り入れ条件はどうするか」などを、柔軟に決められます。
しかし、家族間であると取り決めがあいまいになりやすく、トラブルになりやすいのがデメリットです。返済についてもスムーズに行えればよいですが、返済が滞った場合にはトラブルへと発展する可能性もあるでしょう。
トラブルが発生すると、家族が断裂する恐れがあります。取り決めたことは文書で保管しておく、無理な返済計画は立てないなど、トラブルの発生リスクを下げましょう。

7.手形割引

手形割引は、商取引で受け取った手形を、満期が訪れる前に銀行へと売却する方法です。特に、大企業との取引においては、手形が用いられることが多々あります。
手形は、売掛金よりも満期になるまでの期間が長いのが特徴です。そのため、手形を受け取っても、なかなか現金化ができません。現金化が遅くなってしまうと、商取引によって人件費や仕入れコストが発生している納入企業は、資金繰りが悪化してしまいます。
手形割引は手数料を支払う必要がありますが、早期の現金化が可能です。その結果、資金繰りの悪化を防ぐことができます。
ただし、手形割引をした手形が不渡りとなった場合、買い戻しの義務が生じてしまうので注意しましょう。

8.エンジェル投資家からの出資

エンジェル投資家とは、将来性のある起業家や経営者に対して、支援をする個人投資家のことです。欧米では、エンジェル投資家によるベンチャー企業への投資が活発に行われています。日本では徐々に広がりを見せている段階といえます。
エンジェル投資家の中には、多額の出資を行う人もいます。元起業家であることも多いため、今後の企業経営においてのアドバイスを受けられることもあり、起業家や経営者の力強いサポーターとなりえる存在です。
ただし、中には必要以上に経営に関して口をはさんでくる投資家もいます。掲げた企業のビジョンに賛同してくれているのか、それとも経営に参加したいのか、しっかりと見極めを行いましょう。

9.クラウドファンディング

クラウドファンディングは、近年広がりを見せている資金調達方法です。クラウドファンディング専用のインターネットサイトを通じ、不特定多数の個人や投資家から広く出資を募ります。
起案者が出資を募る目的や企画の内容、最終的な目標地点などを公開し、賛同した人が出資を行うのが特徴です。自己資金や信用力は必要なく、誰でも行える資金調達方法といえます。出資してくれるのは、投資家だけではありません。企画に賛同した一個人も出資ができるので、多くの資金を得られる可能性が高いでしょう。
出資といっても、協賛金という意味合いが強いため、出資してくれた人への返済義務は生じません。出資してもらいやすい方法ですが、目標とする資金に到達するまでは時間がかかる可能性があります。

10.助成金・補助金

助成金や補助金は、都道府県や市町村などが出資や融資といった方法で行っている経営資金の援助制度です。各自治体や制度によって、申し込み条件は異なります。
助成金や補助金の中には返済の必要がない融資や、一般的な融資と比較して極端に金利が低い制度もあるでしょう。そのため、資金力のない企業にとっては有用な資金調達方法です。
ただし、助成金や補助金は誰でも申し込めるわけではありません。自治体ごとに申し込みの条件を定めているケースが多く、その条件を満たさないと利用できないので注意しましょう。地域によって申し込める制度や申し込み条件は異なります。
助成金や補助金について興味がある場合は、まずはお住まいの自治体の担当部署に連絡を取って情報を集めましょう。

まとめ

資金調達の方法は「アセットファイナンス」「デッドファイナンス」「エクイティファイナンス」の3種類があり、さらにその中にも多くの資金調達方法が存在します。それぞれでメリットやデメリットが大きく異なるため、自分の状況に合った資金調達方法を選ぶことが大切です。
資金調達方法が把握できても、本当に自分や会社に合った調達方法であるか判断がつかないこともあるでしょう。そのような場合は、資金調達の専門家にサポートを受けることが重要です。
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